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2008年2月

IFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(その1)

先日、日本公認会計士協会主催のIFRSセミナーに行ったという話を書きましたが、そこで、「財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク」というタイトルの冊子が配られました。講師の方の説明によれば、様々な分野の会計基準が公表されているが、基本的にはこのフレームワークの考え方に沿って基準ができているとのこと。

今後、IFRSや日本の会計基準の改正を理解する上で、このフレームワークを理解しておくことは非常に重要ではないかと考えられます。そこで、今日から何回かに分けて、このフレームワークを読み、私なりに理解したことを書き記していきたいと思います。

フレームワークが取り扱うテーマは、①財務諸表の目的、②財務諸表における情報の有用性を決定する質的特性、③財務諸表を構成する要素の定義・認識及び測定、④資本及び資本維持の概念の4つから構成されています。なかでも、③が非常に重要な気がしますね。

財務諸表の利用者の情報要求(つまり、財務諸表を読む人が何を知りたがっていると考えるか?)についても、多面的に記載がなされています。しかし、結論として、財務諸表はこれらすべての情報要求を満たすことができないため、企業のリスク資本の提供者である投資者の情報要求を満たすことで、他の情報要求にもある程度応えることができると考えています。(この辺りを納得できるか、こじつけだと思うかは、皆さんのご判断にお任せしたいと思います。)

さて、投資者の情報要求について、フレームワークはどのように書いているかというと、「投資に関わる固有のリスク及び投資から得られる利益に関心を有する。投資者は、購入、保有、又は売却すべきか否かの意思決定に役立つ情報を必要とする。また、株主は、企業の配当支払能力を評価することができる情報に関心を持つ」とされています。

私なりの理解ですが、財務諸表は以下の2つの情報を求められていると考えられます。

・配当支払能力という観点からは、実現した利益の計算という伝統的な概念を踏まえている。

・投資の意思決定に役立つ情報という観点からは、企業の将来動向(現時点においては未確定の事象)に関する情報の提供をも期待されている。

このことが、フレームワークにおいて、どのように展開されているのかは、次回以降検討してみたいと思います。

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海外出張に来ています

先週の木曜日から5日間の日程で、クライアント様のタイ・フィリピン子会社を訪問しています。今回の出張目的は、多数の国に海外進出されているクライアント様の連結財務諸表の作成をサポートさせていただいている関係から、実務対応報告第18号への対応をどのように行っていくかを各子会社の経理担当者の方や現地の会計士の方も交えて打ち合わせをしようというものです。

タイにおいては、現在IFRSとのコンバージェンスが急速に進展している模様でした。しかし、主要な会計基準のうち現在策定中の会計基準もあるとのことで、注意が必要かと思います。タイ以外のアジア諸国においても、全体としてIFRSへのコンバージェンスは急速に進んでいる模様ですが、以下の点に注意しておく必要があると考えます。

①日本やタイのように、コンバージェンス途中のため、2008年4月1日以降開始する事業年度において、主要なすべての会計基準がIFRSと同等になっていない可能性があること。

②日本企業の在外子会社の多くは現地において非公開企業となっていると考えられるが、公開企業(上場企業)とその他の企業とでダブルスタンダードとなっている国があること。(私がこれまで訪問した国の中では、マレーシアや中国がこれに該当するものと考えられます。)

また、現地の会計士の方との打ち合わせの中で「IFRSへの修正が必要ないとしても、必要がないことを確認し、文書化しておくことが重要ですから。」という言葉があったのですが、私も同感です。何度かこのブログでも書いていますが、グル―プ会計基準の整備はJ-SOXにおける全社的統制の評価にも重要な影響を与える可能性があると考えています。

話は変わりますが、昨日は終日フリータイムを頂戴して、バンコク市内を散策しました。チャオプラヤ川を船でのんびり渡ったり、夜はナイトマーケットも散策し、フットマッサージも体験しました。すっかりバンコクを満喫させていただきました。ただ、タイ料理の唐辛子(?)の辛さだけは慣れませんね…。

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日本基準のコンバージェンスの状況

2005年に欧州証券規制当局委員会(CESR)がIFRSと日本基準との同等性評価を行った結果、日本基準とIFRSは全体として同等であるものの、26項目については重要な差異があると指摘されていました。

2007年の東京合意では、まずこの26項目について2008年中に何らかの結論を得ることが予定されています。すなわち、この26項目の多くについては、近い将来に会計基準等の変更が予定されている(既に公表されているものも含まれますが)ことになります。

先日参加した日本公認会計士協会のIFRSセミナーでも、この点が取り上げられていましたので、私なりに整理をしてみました

企業結合関係…2008年中に最終改訂基準の公表を予定。取り扱われるテーマは、持分プーリング方の可否、企業結合の対価算定日、負ののれん、少数株主持分の取扱、段階的取得、外貨建のれんの換算である。また、取得した仕掛中の研究プロジェクトの取扱については既に研究開発費に関する論点整理が公表されている。

連結決算関係…連結範囲(SPE等の取扱)については、適用指針第15号で開示の対応が図られているが、範囲自体を見直すかどうかは検討中である。在外子会社の会計方針の統一については実務対応報告第18号が2008年4月1日以降適用となる。また、関連会社の会計方針の統一については、2008年中に最終基準の公表を予定。

ストック・オプション…既に会計基準第8号が公表されており、会社法施行日以後に付与されたストック・オプションは費用化が求められている。また、注記事項の整備も行われている。

棚卸資産…低価法の強制については、会計基準第9号が2008年4月1日以降適用となる。後入先出法の廃止については2008年中に最終基準の公表を予定。

開発費の資産計上…2007年12月に研究開発費に関する論点整理が公表されている。

工事契約…2007年12月に会計基準第15号が公表され、2009年4月1日以降は工事進行基準が原則となる。

資産除去債務…2007年12月に公開草案を公表。2008年中には最終基準を公表予定。

退職給付会計…2008年中に最終基準を公表予定。割引率の決定方法等が論点となっている。

金融商品の公正価値開示…2007年8月に公開草案を公表。2008年中には最終基準を公表予定。これにより、より広い範囲の開示が要求されることとなる。

投資不動産…IASBとFASBの議論を踏まえて検討する。2008年中には最終基準を公表予定。

減損会計…IASBとFASBのコンバージェンスプロジェクトの議論を踏まえて検討する予定。

金融商品会計…日本の会計基準が複雑なため、技術的評価を継続するとしている。(金融商品会計基準がどのような方向性になるのかは、大きなポイントとのこと)

と、非常に多くの項目で、今後会計基準の改正が予定されていることには注意が必要かと思います。このブログでも1つでも多くの改正に関する情報を取り上げていきたいと思っています。

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