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IFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(その9)

少しお休みしておりましたが、今回からIFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワークの話題に戻りたいと思います。今回は資産について、より深く探っていきたいと思います。

前回も触れましたが、フレームワークでは資産は以下のように定義されています。

「資産とは、過去の事象の結果として当該企業が支配し、かつ、将来の経済的便益が当該企業に流入することが期待される資源をいう。」(第49項)

第53項では、「資産が有する将来の経済的便益とは、企業への現金及び現金同等物の流入に直接的に又は間接的に貢献する潜在能力をいう。」と定義しています。これまでの議論でおわかりのように、財務諸表はその利用者が行う経済的意思決定に役立つ情報を提供するものであり、その経済的意思決定とは、企業がキャッシュを生み出す能力、その発生時期及び確実性を評価することとされていました。

よって、資産とは将来企業へキャッシュを流入(あるいは、キャッシュの流出を減少)させる能力を持っているものと定義されることになります。この定義をより掘り下げて考えてみると、以下のことがわかります。

・資産の多くは物的形態をとる(有形である)と考えられるが、物的形態が資産の要件に不可欠なものではない(無形のものも存在し得る。)。(第56項)

・資産の多くは法律上の権利(所有権)を有していると考えられるが、所有権が資産の要件に不可欠なものではない。例えば、リース資産は企業が所有権を有していない資産であるが、リース資産を所有することで企業にキャッシュの発生がもたらされるのであれば、資産として認識する必要がある。(第57項)

・資産の取得は支出の発生と密接な関係を有するが、これらは必ずしも一致するとは限らない。関連する支出がなかったとしても、資産の定義を満たすのであれば、貸借対照表に認識することを妨げない。(第59項)

この資産の定義を読み返してみると、近年公表されている会計基準の多くが理解できるのではないでしょうか? また、無形資産を積極的に認識しようという動きとも密接な関係があるように思われます。私のように商法時代の資産の定義に縛られていては、資産の認識を誤ってしまうかもしれませんね。

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