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IFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(その10)

今回でIFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワークの話題も10回目になってしまいました。しかし、いよいよ佳境に入ってきましたので、頑張りたいと思います。今回は負債のお話です。

フレームワークでは、負債は以下のように定義されています。

「負債とは、過去の事象の結果として当該企業の現在の債務であり、これを決済することにより経済的便益を包含する資源が当該企業から流出する結果になると予想されるものをいう。」(第49項)

この文言を読むと、それほど負債に関しては特別なことは記載されていないのではないかとお思いになる方も多いかもしれません。しかし、財務諸表はその利用者が行う経済的意思決定に役立つ情報を提供するものであり、その経済的意思決定とは、企業がキャッシュを生み出す能力、その発生時期及び確実性を評価することとされていました。当然、負債の定義についても、この影響を受けているのではないかと思われる箇所が見受けられます。

・負債の基本的な特徴は、企業が現在の債務を負っていることである。債務とは、ある一定の方法で実行又は遂行する責務又は責任である。…(中略)… しかし、債務は、通常の取引慣行、慣習及び良好な取引関係を維持し、又は公正とみなされるように行動したいという要望からも生じる。(第60項)

⇒すなわち、債務は通常法律上の義務である場合が多いが、必ずしもそうとは限らないということを示しています。また、

・第49項の負債の定義は、より広義なアプローチを採用している。したがって、引当金が現在の義務であって、かつ残りの定義を満足させるときには、たとえ当該金額を見積もらなければならない場合でも負債となる。(第64項)

⇒この文章は引当金の負債性について言及したもの(確か、財務諸表論の正解では引当金は負債かという議論もあったような記憶がありますが…)とも考えられます。ただ、私はこれまでの議論を踏まえると、現在の時点において、過去の事象に基づき将来の経済的資源の流出が合理的に予想されるものはすべて負債として計上しなければならないというように理解した方がいいのではないかと考えています。

債務という言葉からは、いかにも法律上の義務だけを対象としているような印象を持ってしまいそうですが、注意が必要です。

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