IFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(その11)
財務諸表の作成及び表示に関するフレームワークの第11回は持分と収益・費用について考えてみたいと思います。
まず、持分の定義ですが、「持分とは、特定の企業のすべての負債を控除した残余の資産に対する請求権である。」(第49項) となっています。つまり、持分とはこれまでみてきた「資産」から「負債」を控除したものとなっており、持分そのものが積極的に定義されているわけではないということが言えるかと思います。
次に、収益及び費用ですが、それぞれ以下のように定義されています。(第70項)
「収益とは、当該会計期間中の資産の流入若しくは増価又は負債の減少の形をとる経済的便益の増加であり、持分参加者からの拠出に関連するもの以外の持分の増加を生じさせるものをいう。」
「費用とは、当該会計期間中の資産の流出若しくは減価又は負債の発生の形をとる経済的便益の減少であり、持分参加者への分配に関連するもの以外の持分の減少を生じさせるものをいう。」
以前に述べたように、IFRSではいわゆる資産負債アプローチが採用されているため、収益・費用の定義自体を積極的に行っているわけではありません。ただし、フレームワークにおいては、いくつかの収益・費用に関する説明がなされています。
収益には、利得が含まれる。(第74項) 費用には、損失が含まれる。(第76項)
⇒今まであまり深く考えたことはなかったのですが、狭義の収益や費用は通常の活動の過程において発生するのに対し、利得や損失には通常の活動の過程において発生するわけではないもの(例えば、非流動資産の処分)が含まれると説明されています。この区分が何らかの意味を持つのかどうかについて、注意しておきたいと思います。
収益の定義には、未実現利得も含まれる。(第76項)
⇒確かに資産の定義を考えれば、いわゆる評価益のような未実現利得が計上される可能性も十分に考えられます。この辺りについても、具体的な資産の評価のルールがどのようになっているのか、注意しておきたいと思います。また、このような記載もあります。
「資産及び負債の再評価又は修正表示によって、持分の増加又は減少がもたらされる。持分の増加又は減少が収益及び費用の定義を満たすとしても、これらは特定の資本維持概念の下では損益計算書に計上されない。その替わりに、これらの項目は、資本維持修正額又は再評価剰余金として、持分に計上される。」(第81項)
⇒この内容は、資産・負債に関するすべての評価損益が収益・費用になるわけではないことを意味しています。資本維持概念については、フレームワークの最後の部分で登場しますので、また検討することにします。
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