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討議資料「財務会計の概念フレームワーク」(その1)

早いもので5月も中旬にさしかかろうとしています。会計や監査に携わっている多くの方々にとって、この時期は疲れもピークではないでしょうか? そういう私も、今日の午後から持病の腰痛が再発し、椅子で固まりながら、このブログを書いております。くれぐれも体調管理には気をつけたいものです。

さて、タイトルを読んで、溜息をつかれた方も多いのではないでしょうか? 「また、フレームワークかと…」 実は、日本の企業会計基準委員会(ASBJ)も2006年12月に討議資料としての「財務会計の概念フレームワーク」を公表しています。前から一度読んでみたいと思っていたのですが、なかなかチャンスもなく、今になってしまいました。というわけで、少しだけ、この内容に触れてみたいと思います。

討議資料となっているのは、国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)が、共通の概念プロジェクトを開発するための共同プロジェクトを進行させているためとなっています。この辺りは、日本らしいと言えば日本らしいのですが、もともと概念フレームワークとは会計基準の基本的な指針を提示し、また会計基準の国際的収斂に向けた議論に資するものであると述べています。よって、日本(人)の会計に対する考え方(主張)が盛り込まれているとも読み取れるわけであり、そういう意味では一読に値するものではないかと思います。

第1章では財務報告の目的について述べられています。IFRSでは、「利用者が経済的意思決定を行うに当たり、企業の財政状態、業績及び財政状態の変動に関する有用な情報を提供すること」となっています。これに対し、日本基準では、「投資の意思決定に資するディスクロージャー制度の一環として、投資のポジションとその成果を測定して開示すること」となっています。

IFRSにおいても財務諸表の主たる利用者として投資家を挙げていましたので、投資の意思決定に対する有用な情報を提供することという点では変わりはないかと思います。

その情報の中身についてですが、IFRSは①財政状態 ②業績 ③財政状態の変動 の3つを挙げ、日本基準は①投資のポジション ②成果 の2つを挙げています。

日本基準は財政状態ではなく、投資のポジションという言葉を使っていますが、これは財政状態という言葉が多義的に使用されているために、あえて新しい言葉を用いたとのことであり、その内容に大きな差異はないのではないかと考えます。

また、IFRSは財政状態の変動に関する情報を含めていますが、実際には財政状態の変動について深く言及しているわけではなく(キャッシュ・フローであるとも断言はしていないように思われる)、両者の差異はそれほど大きくないのではないかと思います。ただ、将来キャッシュ・フローの生成能力を重視するIFRSの姿勢がなんとなく読み取れるのかなあとも感じられます。

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