もし、IFRSをアドプションしたら…
先日、私が参加した日本公認会計士協会の研究大会の参加報告として、この記事を書きたいと思います。
私が参加した午後のセッションは、「国際財務報告基準(IFRS)の各国の動向と日本の対応について」というタイトルで、企業、会計基準設定主体、公認会計士の3つの立場からパネリストが参加し、それぞれの立場からIFRSのアドプションについて意見を述べられていました。
その中で、もしIFRSをアドプションした場合(全面適用か連単分離かは別として)、実務上どのような問題がクリアしなければならないかについて、討論が行われました。私なりに各氏の意見をまとめると、以下のようなことが課題になるのではないかと思われました。
①IFRSを理解している人材を教育すること
例えば、連単分離によるアドプションが行われた場合は、日本基準とIFRSの両方を理解しなければならなくなり、その負荷は相当なものになります。ただ、先行適用されている欧州の事例でも、会計士はIFRSの基本的事項についての理解が求められているようです。また、IFRSの資料は基本的に英文の資料であり、言葉の問題も大きな課題になってくると思われます。(私も英語力強化の必要性を感じる今日この頃です。)
②プリンシプルベースのIFRSの運用基準を作成すること
一般に、IFRSはプリンシプルベース(原則主義)の会計基準と言われており、日本の会計基準や税務基準のような細かいルールの定めがない基準と言われています。このため、実務上の運用基準は会社が個々の実情に応じて作成する必要があります。このことは、実態に応じて会計基準の適用ができるという前向きな考え方ができる一方で、運用基準作成の負荷の問題や基準解釈の妥当性が監査を行う会計士の判断に委ねられることとなってしまう(であろう)点で、実務上大きな影響があると考えられます。また、運用基準作成の段階で、監査を担当している会計士がどこまで指導性を発揮できるのか(独立性の問題に抵触しないかどうか)も大きなポイントとなるのではないかとの意見もありました。
③IFRS対応のシステム導入
IFRSをアドプションした結果、これまでの会計の体系と異なる部分が生じる可能性があり、結果的にシステムの開発・更新が求められる可能性もあります。
仮に、アドプションという事態が起こっても、日本は2011年を目標としたコンバージェンスPJを進めており、全く異質なものを受け入れることにはならないと想像できます。よって、必要以上にナーバスになる必要はないのかもしれませんが、心の準備と少しの勉強は始めておいても損はないような気がしました。
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