IAS第1号「財務諸表の表示」(その18)
第117項から第124項では、会計方針の開示について述べられています。
第117項では、企業は重要な会計方針の要約の中で、財務諸表を作成する際に用いられた測定の基礎及び使用された他の会計方針で財務諸表の理解に関連のあるものを開示することが求められています。
第118項では、財務諸表を作成する上で企業がその基礎としたものは財務諸表利用者の分析に大きく影響を与えるという理由から、企業が財務諸表に用いられている測定の基礎(例えば、取得原価、時価、正味実現価値、公正価値、回収可能金額など)を財務諸表の利用者に伝えることは重要なことであるとしています。企業が財務諸表において2つ以上の測定の基礎を用いるとき(例えば、特定の分類の資産を再評価するとき)、それぞれの測定基礎が適用された資産や負債の範囲(category)を表示するものが提供されることが、十分な情報を提供することになるとしています。
第119項では、特定の会計方針を開示すべきかどうかを決定する際には、経営者は、報告された企業業績や財政状態の中に取引・その他の事象・状態がどのように反映されているのかということについて財務諸表利用者が理解することを助けるのかどうかということを考慮しなければならないとされています。特に、その会計方針がIFRSの中で許容された選択肢の中から選ばれたものである場合には、特定の会計方針の開示は有益であるとされています。例として、投資者が共同支配企業の自己の持分を認識する際に、比例連結を用いているのか持分法を用いているのかの開示(IAS第31号「ジョイントベンチャーの持分」の開示)が挙げられます。いくつかのIFRSでは、認められた異なる会計方針の間で経営者によって行われた選択を含め、特定の会計方針の開示を特に要求している場合があります。
第120項では、企業は自社の事業活動の性質や財務諸表の利用者が企業の種類に合わせて開示されると期待している方針について考慮しなければならないとしています。例として、繰延税金資産・負債の適用を含む法人税に関する会計方針の開示や企業が重要な外国通貨による海外の事業活動や取引を行っている場合の為替差損益の認識に対する会計方針の開示が挙げられています。
第121項では、ある会計方針が、たとえ当年度や過年度の金額に重要性がないときでさえ、企業の事業活動の性質のために重要となることもあるかもしれないとしています。IFRSでは特に要求されていないものの、企業が選択しIAS第8号(「会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬」)に従って適用した個々の重要な会計方針を開示することも適切であるとされています。
第122項では、企業は重要な会計方針の要約・その他の注記・判断の中において、経営者が企業の会計方針を適用する過程で行ったことや財務諸表において認識された金額に最も重要な影響を持つものについて開示することが求められると記載されています。
第123項では、企業が会計方針を適用する過程において、経営者はそれが財務諸表の中で認識される金額に重要な影響を与えるような様々な判断を行うとし、例として、以下の事項を決定するための判断を挙げています。
・金融資産が満期保有目的投資であるかどうか。
・実質的に金融資産やリース資産のすべてのリスクと対価(rewards)が第三者に移転するときはいつか。
・実質的に特定の商品売上が金融的な取り決めであり、その結果、収益をもたらさないものであるかどうか。
・企業と特別目的事業体(SPE)の実質的な関係が企業がそのSPEを支配しているということを指し示しているかどうか。
第124項では、第122項に従って行われる開示の中には、他のIFRSで要求されているものもあるとされています。
IAS第27号「連結及び個別財務諸表」
直接的にまたは子会社を通じて間接的にその議決権または潜在的議決権の過半数を所有していても、その被投資会社が子会社ではないということについて、企業の所有権が支配権を構成しない理由の開示が求められています。
IAS第40号「投資不動産」
企業が不動産の分類が困難である場合に、投資不動産・所有者占有不動産・販売用不動産を区分するために定められた判断基準の開示が求められています。
(次回に続く)
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