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連結納税制度が変わる?(その1)

1週間ほど前の話になるのですが、日本経済新聞朝刊に連結納税制度の制度改正を行い利用しやすくするための検討が行われているという記事が載りました。1面の記事だったので、ご記憶に残っていらっしゃる方も多いのではないかと思います。まだ、経済産業省と財務省が協議を始めたところであり、正式な決定ではないものの、早ければ2010年度税制改正に盛り込まれる可能性があるとのことです。そこで、今回は現行の連結納税制度について少し振り返ってみることにしたいと思います。

・適用範囲
親会社(連結親法人)と基本的には国内の100%子会社(連結子法人)が対象となります。連結親法人と連結子法人を合わせて連結法人といいます。この場合、一部の国内100%子会社を選択して連結子法人とすることはできない、すなわち、すべての国内100%子会社を連結子法人としなければならないとされています。記事によれば、今回の見直しの動きの中では、100%子会社に限定されている要件を緩和することや複数ある子会社の中からどの会社を連結子法人とするかを選択できる制度の導入が検討されるようです。なお、海外子会社については、たとえ100%子会社であっても連結納税の対象に含めることはできません。

・連結納税制度適用の承認申請
すべての連結法人の連名で、適用しようとする事業年度開始の日の6か月前の日までに、所轄税務署長を経由して国税庁長官に承認申請書を提出し、承認を受ける必要があります。3月決算会社であれば、前年の9月30日までに承認を受ける必要ということになりますが、早めの準備が必要ですね。

・連結グループへの加入時の取扱い
連結子法人が連結グループに加入する場合には、連結加入直前事業年度の単体申告において一定の資産について時価評価を行い評価損益を計上する必要があります。ここで、一定の資産とは、固定資産・固定資産以外の土地等・金銭債権・売買目的有価証券以外の有価証券などが挙げられます。新聞記事ではこのルールの見直しが検討項目の1つとなっていると触れられていましたが、評価益については課税されてしまうため、連結納税制度を活用する上での1つの阻害要因と考えられているためでしょう。

・連結所得の計算
個別益金額から個別損金額を差し引いた後に、いくつかの連結納税のための調整計算が必要となります。なお、個別益金額と個別損金額については、ほぼ単体申告の際の金額と同一になります。連結納税のための調整計算として必要になるのは、①受取配当金の益金不算入 ②寄附金の損金不算入 ③交際費の損金不算入 ④控除する外国税額・所得税額 ⑤連結欠損金の繰越控除 ⑥連結法人間取引の損益 が挙げられます。

細かい内容については、次回のブログで触れることにしたいと思いますが、連結欠損金の繰越控除について、現行ルールでは連結納税制度適用前に生じた欠損金については、原則として連結親法人の分しか連結納税制度に持ち込めないことになっていますが、これを改正して子会社の欠損金も持ちこめるようにするかどうかの検討も行われるようです。子会社の繰越欠損金が持ち込めれば、さらに税務面でのメリットが享受できるので、連結納税制度の活用が進むかもしれませんね。

・連結法人税額の計算
連結所得金額に連結法人税率(普通法人(会社)の場合は単体法人税率と同じ)を乗じた金額を求め、これに試験研究費や設備投資に係る税額控除・留保金課税・使途秘匿金課税・所得税額控除・外国税額控除を行った結果、最終的な連結法人税額が計算されることになります。

・連結法人税の個別帰属額の計算
連結法人税額は連結親法人が納付しますが、その納付税額を各連結法人に配分した金額(連結法人税額の個別帰属額といいます)を、連結法人間で収受する必要があります。個別帰属額は個別所得(欠損)金額(個別帰属益金額から個別帰属損金額を控除したもの)に連結法人税率を乗じて求められます。

・連結確定申告と納付
連結確定申告書の提出義務と連結法人税の納付義務は連結親法人にありますが、連結子法人は、連結法人税額の個別帰属額等を記載した書類を税務署に提出するとともに、連結法人税について連帯納付責任を負います。また、納付期限について、申告期限の延長の承認を受けた場合には、連結事業年度終了の日の翌日から4か月以内に申告・納付を行うことが必要となります。

(次回に続く)

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