« 連結納税制度が変わる?(その1) | トップページ | 資産除去債務に関する会計基準 »

連結納税制度が変わる?(その2)

先週の木曜日は、更新をお休みしてしまいましたが、1週間で非常に多くの方がブログを閲覧してくださったようです。まだ、どのような改正が行われるのか定かではありませんが、非常に関心の高いテーマだったのかなと思いました。今回は、前回の続きということで、連結納税制度における連結(課税)所得の計算方法についておさらいしておきたいと思います。こちらも、現行制度のお話ですので、取扱いには十分ご注意ください。

・受取配当等の益金不算入

ほとんど単体申告と異なる点はありませんが、1点だけ相違するのは連結法人株式等に係る配当等の額については、その100%が益金不算入となります。(負債利子の控除もなし) これは、連結決算(会計)と同じで連結会社(法人)間の配当金はそもそも収益(益金)として認識しないということでしょうね。

・寄附金の損金不算入

連結納税制度における寄附金の損金算入限度額の計算は、連結親法人の資本金等の額及び連結所得金額に基づいて計算されることになります。寄附金の多い企業では、連結納税と単体納税のどちらが有利になるのか検討しておく必要があるのかもしれませんね。

・交際費の損金不算入

連結納税制度における交際費の損金算入限度額の計算は、連結親法人の資本金等の額を基準に判定されます。すなわち、連結親法人の期末資本金の額が1億円以下である場合には、400万円の定額控除限度額が認められます。しかし、交際費の損金不算入額は連結ベースで計算するため、資本金が1億円以下である企業が連結グループに多い場合は、各企業ごとに定額控除限度額が認められることとなるため、これもどちらが有利か慎重に検討する必要がありそうです。

・欠損金の繰越控除

まず、連結納税制度適用前の欠損金については、原則として連結親法人の最初の連結事業年度の前7年以内に発生した欠損金額が控除の対象となります。前回のブログでも触れたように、現行制度では連結子法人の連結納税制度適用前の欠損金については、繰越控除の対象とすることができませせん。このことは、連結納税制度を適用する上で、大きなメリットを享受できないことを意味しており、改正を行うかどうかは非常に重要な検討課題と言えそうです。なお、連結納税制度適用後に発生した欠損金については、単体決算と同じで7年間の繰越控除が認められています。

・連結法人間取引の損益の調整

固定資産(土地を含む)や有価証券を連結法人間で譲渡したことにより発生した譲渡損益については、連結所得の計算上、取り消されることになります。また、これらの繰り延べられた譲渡損益については、譲渡を受けた法人が第三者への譲渡や償却等を行うことによって、実現する(課税所得の計算に算入される)ことになります。これは、連結決算でいうところの未実現利益の調整に相当する処理ですが、連結納税においては棚卸資産の譲渡損益は調整の対象にはならないという点と、譲渡損失が発生した場合、連結決算(会計)では調整を行わないことがしばしば見受けられますが、連結納税においては譲渡損失も取り消す(益金算入する)ことになります。

平成21年度税制改正において、在外子会社からの配当金の益金不算入制度が創設されたことにより、在外子会社の余剰資金を日本に集める際の税金コストの負担が大幅に軽減されました。今回の新聞報道にもあったように、連結納税制度のあり方が見直され、利用しやすい制度となることで、より一層、企業の税金コストの軽減が図られると期待されます。ただ、このような政策によって、企業の競争力は強化される一方、税収減の問題も浮上してくるため、結論を得るまでには、なお一層の検討が必要になりそうです。

(以上)

|

« 連結納税制度が変わる?(その1) | トップページ | 資産除去債務に関する会計基準 »

新聞記事より」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/504488/30220253

この記事へのトラックバック一覧です: 連結納税制度が変わる?(その2):

« 連結納税制度が変わる?(その1) | トップページ | 資産除去債務に関する会計基準 »