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苦戦する会計大学院?

6月5日の日本経済新聞朝刊の記事からです。会計専門家の育成を目的にスタートした会計大学院がその学生の確保に苦戦しているという内容でした。記事では、学生が集まらない理由をいくつか挙げています。

まず、公認会計士試験との連動性の低さです。修了者には一部科目の試験免除等の措置はあるものの絶対的な受験要件となっているわけでもないということが挙げられています。また、会計大学院そのもの運営に対する考え方が、公認会計士試験の合格を第一に考えるということではなく、会計試験に合格した後のことまで考えて教育するというところが多く、結局学生さんにとっては、試験に受かるということから考えるとむしろ負担になる場合もあるようです。

金融庁は、アメリカのエンロン事件を契機として、資本市場の信認回復のためには、会計専門家(公認会計士)を増やし、監査法人だけでなく企業等にも幅広く会計専門家を配置する方向性を打ち出しており、会計大学院もこの一環として設置されています。このような方針の下で、近年、公認会計士試験の合格者は格段に増加していますが、合格者の多くが最初の就職先として監査法人を目指していることや企業側も会計士資格保有者というだけではそれほど採用面で優遇できないこともあり、思ったような状況には至っていないようです。

このように、会計専門家や会計教育のあり方が問われつつある昨今ですが、記事を読んで、私はいくつかのことを思いました。

・私の学生時代の頃を考えると、このような環境がなかったため、試験には合格したものの業界の知識はほとんどない状態で会計士業界に飛び込みました。そのため、最初は随分と苦労したことを思い出します。私の知っている公認会計士の方もたくさん会計大学院で教鞭をとられていますが、もし、私の学生時代にこのような環境があったらと考えると、会計士の世界に飛び込む前に、こうした実務の世界で活躍されている先生方のお話(授業)をお聞きできる会計大学院の環境というのは非常に羨ましい環境だと思います。

・会計に関する専門性を示す資格としては、やはり「公認会計士」ということになるのでしょうが、私が知る限り、「公認会計士」の資格はお持ちでなくても、企業会計に精通していらっしゃる企業の経理担当者の方はたくさんいらっしゃいます。私も、そういった方々に勉強させていただくことがしばしばです。そう考えると、単純に「公認会計士」というタイトルホルダーを増やすという発想ではなく、企業の経理担当者の方が、会計大学院を通じてより高度な(専門化された)教育を受け、会計専門家になっていく(公認会計士の資格を取るかどうかは別として)というような発想があってもいいのではないでしょうか。実際、企業の経理担当者の方も監査する公認会計士も経験がものをいう場面というのは多いように思います。

・私も大学の非常勤講師をさせていただいているのですが、そこで感じるのは、熱心に勉強をしている学生さんがいらっしゃる一方で、まだまだ、会計に関心を示してくれる学生さんが少ないということです。会計専門家を増やすのであれば、会計に関心を示してくれる方々を増やす努力というのも必要ではないかと感じます。今の会計教育は、多くの場合、簿記から始まると思うのですが、そこで挫折する学生さんは意外と多いように感じます。(私の学生時代もそうだったような) 確かに、会計を扱う上で簿記は必須のものですが、最初は別の観点(会計の社会における役割とか会計専門家の魅力など)を知るようなところから会計教育を始めてはどうか? と感じたりする今日この頃です。

是非、この問題に関する皆様のご意見をお聞かせいただきたいと思います。

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