ポイント・マイレージの会計処理
少し前の新聞記事になりますが、6月12日日本経済新聞朝刊の記事からです。企業が販売促進に使っているポイントやマイレージの会計処理が国際会計基準の影響から厳格になっていると記事は指摘しています。
既に国際会計基準の適用を受けている欧州やオーストラリアの航空会社の事例では、いずれも多額のマイレージ関連負債を計上したことにより、大幅な業績悪化につながったと指摘されています。これまでは、ポイント使用にかかる費用を見積もって引当処理する方法が一般的だったものが、新しいルールの適用により、ポイント発行時にポイント分は売上から控除し、ポイント分は企業が将来実行すべき義務(負債)として計上するルールに改められたとされています。つまり、ポイントやマイレージはその発行額の100%が負債として計上されるようになったというイメージでしょうか。
一方、日本国内ではマイレージに関する明確な会計基準がないため、処理方法にはバラつきがあるとされています。航空会社でも、JALはマイル発行時に発行分を費用計上(販管費)を計上するとともに履行義務分を債務で計上していますが、ANAはマイル発行時には処理を行わず、期末時点の未使用マイルのうち将来使用されると認められる部分を引当処理(費用処理)されているようです。
このような制度は航空業界が有名ですが、それ以外にも、家電量販店をはじめとする小売店や携帯電話会社なども同様の制度を持っており、名称の如何を問わず、将来の販売促進のための値引制度を設定しているような場合には影響を受ける可能性があると考えられます。また、この問題では売上の取扱い(売上の計上金額そのもの)が変わってしまうことになるため、営業部門への説明やシステムの対応等の影響も考えておく必要があると思われます。
国際会計基準では、IAS第18号「収益」という基準書がありますので、いずれこのブログでも取り上げていくことにしたいと思います。
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コメント
フレームワークの原文を読んでいるときから、参考にさせていただいております。
今回のポイントサービスの会計処理は、現在IASBの収益のプロジェクトに関係していると考えられます。
収益認識のディスカッションペーパーに、「契約に基づく権利と義務を認識し、義務を履行した時点で、収益を認識する」という内容があります。
この内容を、前倒しして会計方針に取り込んでいるのではないでしょうか。
収益以外にも、ディスカッションペーパーがあるので、IFRSの全体を把握するのは、難しいと日々感じています。
投稿: smile dog | 2009年6月29日 (月) 14時40分
smile dog 様
コメントありがとうございました。以前からこのブログを読んでいただいているようで、ありがとうございます。
確かに、現在MOU(IFRSと米国会計基準のコンバージェンスプロジェクト)が進行中なので、改訂に向けての論点整理や公開草案が頻繁に公表され、情報の整理が大変ですよね。今、基準書を読んでも、すぐに陳腐化してしまいそうで、何から手をつけていいのか私も戸惑っています。
また、これからもIFRSの件で色々と情報交換させていただければと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
投稿: 作者です | 2009年6月29日 (月) 23時49分