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2011年10月31日 (月)

過年度遡及修正を行った場合の税務上の取扱い(その1)

去る10月20日、国税庁から「法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について」なる資料が公表されました。過年度遡及修正基準が適用された場合の税務上の取扱いについては、個人的に気になっていたのですが、今回はこの資料を読んで、税務上の取扱いに関する理解を深めてみたいと思います。

国税庁のホームページはこちら

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/111020/index.htm

☆会計方針の変更を行った場合

(ケース1)棚卸資産の評価方法の変更

例えば、当期より先入先出法から総平均法に変更したことによって、前期末の確定決算時には550だった棚卸資産が、遡及修正によって、500に減少したケースを考えてみます。

ここでのポイントは、過年度遡及修正基準の適用によって、会計上前期末の棚卸資産の金額が減少したと考えるのではなく、当期首の棚卸資産の金額が減少したと考える点です。

つまり、過年度遡及修正基準を適用したからといって、前期の税金計算を修正する必要はないと考えられます。では、当期の税金計算での取扱いはどうなるのでしょうか?

具体的には、以下のような申告調整を行うことになるようです。

①別表5(1)の繰越損益金の期首の金額を前期よりも50減らす。

→当期首(前期末)の棚卸資産が50減少しているということは、すなわち、前期の利益が50減少するような遡及修正が行われたこととなります。そこで、期首の繰越利益金を50減少させます。

②棚卸資産の減少分50について、「棚卸資産(過年度遡及修正)」のような項目を用いて、別表5(1)の期首欄に50と記載する。

→①の修正によって、税務上の利益積立金の金額が前期末と当期首で不一致の状態となってしまいます。これを避けるために、遡及修正の影響50については、別の項目(このケースでは、棚卸資産(過年度遡及修正))を用いて調整し、税務上の利益積立金を一致させます。

③②の「棚卸資産(過年度遡及修正)」については当期において認容させ、別表4において減算調整を行う。

→過年度遡及修正によって調整された50の部分については、前期の利益として計上され、既に課税が済んでいるにも関わらず、当期において、再度利益として計上されることとなってしまいます。そこで、減算調整を行い、二重に課税されることを排除します。

別表5(1)の繰越利益損益金を修正するものの、税務上の利益積立金額は前期末と当期首で一致させる必要があるというところで、ちょっと複雑な修正が行われることになるようです。

(次回につづく)

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