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2011年11月10日 (木)

過年度遡及修正を行った場合の税務上の取扱い(その3)

去る10月20日、国税庁より公表された「法人が「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」を適用した場合の税務処理について」からです。

国税庁のホームページはこちら

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/111020/index.htm

☆過去の誤謬を訂正する場合

(ケース1)税務上の是正を要しないとき

例えば、過年度において土地に係る減損損失500が計上漏れとなっていたために、これを修正再表示したケースを考えてみます。

この場合の考え方も会計方針を変更したケースと基本的には同じです。

①別表5(1)の繰越損益金を前期末よりも500減らす。

→前期の確定決算の利益剰余金が500減少するということであり、これを修正します。

②別表5(1)に新たに項目を作る。期首の金額は以下の通りとなる。

 土地(過年度遡及) 500

→①の修正により、前期末と当期首の税務上の利益積立金が一致しなくなるため、上記のような項目を用いて調整します。この減損損失については、税務上損金算入が認められないため、そのまま留保項目として繰り越されることになります。(土地が売却された時などに初めて認容されると考えられます。)

(ケース2)減価償却資産に係る過去の誤謬の訂正があった場合

では、過年度において減価償却資産(例えば、建物)に係る減損損失450が計上漏れとなっていたために、これを修正再表示したケースではどうなるでしょうか?

このケースで1つ留意しなければならないのは、この修正再表示により計上された減損損失が法人税法第31条第1項に定める「当該事業年度においてその償却費として損金経理をした金額」に含まれるのかどうかという点です。

結論だけを記載しますと、この修正再表示によって計上された減損損失についても、通常の減損損失と同じように取り扱ってよいとされていますので、以下のような申告調整を行うことになります。

①別表5(1)の繰越損益金を前期末よりも450減らす。

→前期の確定決算の利益剰余金が450減少するということであり、これを修正します。

②別表5(1)に新たに項目を作る。期首の金額は以下の通りとなる。

 建物(過年度遡及) 450

→①の修正により、前期末と当期首の税務上の利益積立金が一致しなくなるため、上記のような項目を用いて調整します。

③当期において減価償却費超過額の認容部分として認められる金額を別表4で減算調整するとともに、別表5(1)の建物(過年度遡及)の金額も減少させる。

→過年度遡及修正によって計上された減損損失についても、通常の減損損失と同様に取り扱われることとなりますので、減価償却を通じて減損損失の認容が行われることとなります。

結論だけ見れば、当然の内容かもしれませんが、よく確認しておいてくださいね。

(次回に続く)

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