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2016年6月27日 (月)

移転価格税制に係る文書化制度の改正①

平成28年度税制改正において、租税特別措置法の一部が改正され、移転価格税制に係る文書化制度が整備されています。この改正は、以前このブログで取り上げたOECD(経済協力開発機構)のBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクトの勧告(行動計画13「多国籍企業情報の文書化」)を踏まえたものとなっています。今回は、この税制改正の内容について、取りまとめてみたいと思います。

1.国外関連取引を行った法人が作成する文書

ある(一の)国外関連者との取引が、以下のいずれかの要件を満たす法人は、当該国外関連者との取引に係る「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)」を確定申告書の提出期限までに作成・取得し、保存しなければならない(「同時文書化義務」というそうです)こととされました。

①当該国外関連者との取引の合計金額が50億円以上である。
②当該国外関連者との無形資産取引(特許権や実用新案権等の無形固定資産やその他無形固定資産の譲渡・貸付等)の合計金額が3億円以上である。

この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用されます。

2.多国籍企業グループが作成する文書

直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上の多国籍企業グループの構成会社等である内国法人及び国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人は、以下の3つの文書を国税電子申告・納税システム(e-Tax)で提供しなければならないこととされました。

①最終親会社等届出事項
 →最終親会社等に関する情報
②事業概況別報告事項(マスターファイル)
 →グループの活動の全体像に関する情報
③国別報告事項(CbCレポート)
 →国別の活動状況に関する情報

①については最終親会社の会計年度終了の日までに提供することとされており、②及び③については最終親会社の会計年度の終了の日から1年以内に提供することとされています。
この改正は、平成28年4月1日以後に開始する最終親会社の会計年度から適用されます。

1については既に導入されていた制度について改正がなされており、2については新たに制度が設けられた形となっています。
次回以降は、それぞれの制度の内容について、もう少し詳しく見ていくことにします。(つづく)

<参考資料>
国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

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