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2017年8月24日 (木)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正②

前回は、改正後の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の概要について触れました。おさらいをしますと、

1.外国関係会社に該当するか?

2.外国関係会社はその経営活動実態によって、3つに分類される。
 ① 特定外国関係会社
 ② 対象外国関係会社
 ③ 部分対象外国関係会社

3.分類された会社ごとに、所在地国の税率に応じて合算課税が行われる。
 ① 特定外国関係会社 30%未満 会社単位での合算課税
 ② 対象外国関係会社 20%未満 会社単位での合算課税
 ③ 部分対象外国関係会社 20%未満 受動的所得の合算課税

となっています。今回からは、法令等の詳細な内容について触れていくことにします。

☆ 外国関係会社の定義

外国関係会社とは以下の外国法人を指すものとされています。

① 居住者・内国法人等が、直接・間接保有している外国法人に対する持分割合が50%を超える場合

② 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人が、直接・間接保有している外国法人に対する持分割合が50%を超える場合

③ 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人

☆ 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人

今回の改正のポイントの1つとして、外国関係会社の定義の中に、③の「居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人」が含まれたことが挙げられます。
これは、租税回避国(タックスヘイブン)に設立された資本関係がない外国法人を利用した租税回避行為に対応するための措置とされています。
居住者または内国法人と外国法人との間に以下のような関係がある場合、その持分割合に関わらず、実質支配関係がある(=外国関係会社に該当する)ものとされています。

① 残余財産の分配請求権
 居住者または内国法人が外国法人の残余財産のおおむね全部について分配を請求する権利を有している。

② 財産の処分の方針の決定権限
 居住者または内国法人が外国法人の財産の処分の方針の概ね全部を決定することができる旨の契約その他の取り決めが存在する。

☆ 外国関係会社の判定時の間接持分の計算

居住者または内国法人等との間に50%超の持分の所有を通じた連鎖関係がある外国法人の判定について、改正が行われています。簡単なケースで考えてみましょう。

【設例】

 

内国法人 ⇒    外国法人A社     ⇒  外国法人B社
          (内国法人が70%所有)   (A社が60%所有)

 外国法人A社は、内国法人の外国関係会社に該当する。(改正前・改正後ともに)
 外国法人B社は、内国法人の外国関係会社に該当するかどうか?

改正前の規定では、B社に対する持分割合の計算は、「掛け算方式」が用いられていたため、70%×60%=42%となり、外国関係会社には該当しないものとされていました。しかし、改正後は、「連鎖方式」が用いられることとなったため、B社に対する持分割合は60%と判定され、B社も外国関係会社に該当することとされました。

実質支配関係の導入や間接所有の際の連鎖方式への改正によって、これまで外国関係会社に該当しないと判定されていた外国法人が、改正後は外国関係会社に該当すると判定されていたケースも出てきそうです。

【参考資料】
・BEPSと外国子会社合算税制②(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年7月号)
・平成29年度法人税関係法令の改正の概要(国税庁)

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