コラム

2017年6月12日 (月)

上場か非上場か

日本経済新聞朝刊の中に大機小機というコラム欄があるのですが、6月7日は「上場か非上場か」というタイトルのコラムでした。

コラムの内容を、私なりの理解でまとめると(一部同意できない部分は割愛しました)、

・非上場企業でも、資金力、信用力、ガバナンスの視点を持った経営を持ち合わせている企業がある。

・一方で、上場企業であるが故に(一般株主の目を気にするあまり)、経営判断が短期的になり、当面は赤字覚悟の大胆な事業展開が難しくなるケースもある。また、上場維持のために有望な事業の売却を選択するケースさえある。

・一部の上場企業が実施したMBO(経営陣が参加する買収、上場会社が非上場化するための手法として用いられる)は、成熟段階に達した企業が近未来の衰退を免れ、若返るための手段とも言える。

・現在の上場基準は従前よりも緩和されている。そうであるならば、上場するか、非上場にとどまるか、あえて非上場化するのかは、経営戦略上の大きな選択肢となるのではないか。

企業が上場を選択する場合、様々な理由があるものと思います。ただ、1つ重要だと感じるのは、企業の上場は、それ自体が目的ではなく、何らかの目的(多額の資金を集める、信用力・知名度を高める等)を達成するための手段であるということです。

非上場企業が上場する、あるいは、上場企業が非上場化するという選択は、多大なコストを生じさせることになるため、簡単にできるものではありませんが、コラムが指摘している通り、常に経営上の選択肢として意識しておくべき時代になったのではないかという点は同感でした。

2017年3月 5日 (日)

海外出張に行ってきました

先日、仕事の関係でタイ(バンコク)とベトナム(ホーチミン)を訪れました。真冬の日本からの移動でしたが、寒さが苦手な私にとってはちょっとありがたい出張でした。でも、流石に日差しがきつくて暑かったですが。

日本ではASEAN地域として一括りにされることが多いように感じますが、現地で働く方々のお話を聞かせて頂いたり、この目で現地を確かめてみると、タイとベトナムでは随分と状況が違っているということを改めて感じました。

タイはASEAN地域の中でも成熟期に入った国と言えるでしょう。タイ投資委員会(BOI)は新たな投資優遇のため「タイランド4.0」のコンセプトの下、科学技術(テクノロジー)の誘致に力を入れることを発表しました。現在は、自動車等の輸出志向型重工業の誘致を目指した「タイランド3.0」が進行中ですが、自動車産業は早くも成熟期に入ったとも言われているようです。日本企業のタイへの投資も従来とは異なる視点で考えてみる必要がありそうです。

一方、ベトナムはたくさんのバイクや自動車が行き交い、とても活気に溢れていました。市内の中心部では日本の支援による地下鉄の建設も行われ、郊外の工業団地では某日系企業の新しい工場の建設が進むなど日本からの投資も活発なようです。また、ベトナムは地図で見ると非常に細長国というイメージですが、遠くまで平地が広がっていて、ちょっと印象が変わりました。一方で、インフラの面ではまだまだ整備が必要とのことですが、これも若い世代を中心に国を変えていこうという機運が少しずつ高まっているのだそうです。

「百聞は一見にしかず」という諺がありますが、今回の出張で、それを再認識した次第です。

☆バンコクで訪れたスカイバーからの夜景
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☆ホーチミン市内の様子(この後、バイクや車でごった返していました)
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☆ベトナムで移動の車中からの様子(日本にはなかなかない光景です)
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2016年9月 6日 (火)

海外出張に行ってきました

8月30日(火)~9月4日(日)まで海外出張に行ってきました。

あすかアソシエイツ(あすか税理士法人/あすかコンサルティング㈱)は、海外に事務所を持たない会計事務所ですが、海外の会計・税務・事業進出等に関するご相談を受けることも少なくありません。

このような場合、我々の守備範囲外ということで、「現地の会計事務所に直接お問い合わせください」とお願いすることもできるのですが、それではあまりに寂しいということで、2年前からアジアの国・地域を中心に、現地の会計事務所とのネットワーク作りに取り組んでいます。

今回は、ベトナムとシンガポールを訪問しました。特に、ベトナム(ホーチミン市)は初めての訪問でしたが、訪れた会計事務所の皆様には非常に丁寧に応対をして頂き、事務所の状況だけでなく、経済情勢や会計・税務のトピックスまで、幅広く教えて頂くことができました。ご対応頂いた皆様には、この場を借りて、あらためて厚く御礼を申し上げます。

ホーチミン市内は、自動車やバイクがたくさん走っており、街の中心部では地下鉄の工事も行われる(2020年開通予定だそうです)など、街全体に活気が感じられました。また、日本企業の進出状況についても、従来の製造業だけでなく、商社やIT関連など業種が幅広くなってきており、毎年数百社の進出案件があるとお聞きしました。

特に、IT関連企業はベトナム政府が外国企業の誘致に熱心だそうで、投資の優遇措置も整備されているようです。その背景には、ベトナムの男子学生は理系に進む人が多く、優秀なIT技術者が相当数いるということもあるようです。(初めて知りました)

弊社では、既に海外の会計事務所・進出コンサルタントのご紹介実績もございますので、海外進出にご関心のある方は、是非一度ご相談を頂ければと思います。なお、出張の様子につきましては、あすか税理士法人・高田和俊税理士のブログで、詳しく取り上げられていますので、是非そちらもご覧ください。

<ホーチミン市内の様子>14729940265851
綺麗な朝焼けの様子ですが、実際は早朝からかなり蒸し暑かったです。

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初日、ホーチミンに到着後に食事をした市内のレストランからの写真です。時間は9時過ぎだったのですが、車もバイクも人もかなりたくさんいますね。

2016年8月22日 (月)

ASBJ 中期運営方針等を公表

企業会計基準委員会(ASBJ)は、8月12日に「中期運営方針」及び「現在開発中の会計基準に関する今後の計画」の改訂を公表しました。

中期運営方針については、国際会計基準の適用会社(予定を含む)が140社を超える状況の中で、日本基準を高品質で国際的に整合性のとれたものとして維持・向上を図ること及び国際的な会計基準の質を高めることに貢献すべく意見発信を行っていく必要があるとの認識が示されています。

日本基準に対する基本的な考え方として、

・企業の総合的な業績指標としての当期純利益の有用性を保つこと
事業活動の性質に応じて適切に資産及び負債の測定を行うこと(適切な公正価値測定の適用範囲)

などが挙げられており、今後の日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組みは、国際的な会計基準を自動的に日本基準に取り入れることを意味するものではなく、

・国際的な会計基準を日本基準に採り入れる範囲
・整合性を図った結果、日本基準が高品質な会計基準となるのかどうか
・国際的な会計基準における考え方が日本のものと大きく異ならないかどうか

を判断することが必要であると述べられています。

その上で、具体的な課題として、以下のテーマが取り上げられています。

1.日本基準を国際的に整合性のあるものとする取組み
 ・収益認識に関する包括的な会計基準の開発
  …IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を踏まえて
 ・引当金に関する包括的な会計基準の開発
  …国際会計基準審議会での審議を踏まえて検討
 ・東京合意以降に公表された国際会計基準への対応
  …各専門委員会において基準の開発(改訂)の必要性を検討

2.その他の日本基準の開発
 ・日本公認会計士協会から公表されている税効果会計に関する実務指針の移管…「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」は移管済
 ・減価償却に関する会計基準の開発
 ・適用後レビューの実施

3.国際的な会計基準の開発に関連する活動
 ・国際的な意見発信の強化
 ・修正国際基準の開発
 ・国際会計基準に関する解釈の取組み
 ・国際的な会計人材の育成

2015年7月 7日 (火)

海外出張に行ってきました

先週、香港・バンコクに海外出張に行ってきました。

今回の出張では、現地の会計事務所や経営コンサルタントの方々をご訪問させて頂き、既に現地に進出されている企業様や今後現地に進出する計画のある企業様のサポートをお願いする体制を作ることを主な目的としていました。お会いした方々は、皆さん誠実に真剣に業務に取り組まれていると感じることができ、安心するとともに、我々もより一層頑張っていかねばいけないなと感じました。

私は、日本企業の皆様が海外進出をされる際に、信頼性が高く、日本語でコミュニケーションが取れる専門家の存在は非常に重要だと考えています。

以前、私のブログでも取り上げましたが、企業の粉飾決算の問題が生じる時、海外子会社がその舞台になることが少なくありません。(海外子会社の財務情報のモニタリングをご覧ください。) その原因は様々ですが、私は以下のように考えています。

日本では、「便りの無いのは良い便り」とも言われ、「何も報告がない=何も問題がない」と考えがちですが、海外子会社管理はそれでいいのでしょうか。何も報告がない間に、問題がどんどん深刻になっていたということはないでしょうか。そこで、何も問題がないことを「確かめる(モニタリングともいいますね)」ことが非常に重要になってくると考えています。

しかし、日本の親会社から海外子会社に問題が起きていないことを確かめる作業は非常に労力がかかります。そこで、現地の専門家を活用してモニタリングの仕組みを構築することを検討されてはいかがでしょうか。

信頼性が高く、しかも、日本語でコミュニ-ケーションが取れる専門家の方は、ローカルの専門家の方に比べると、コストが高くなるという話をよくお聞きします。しかし、十分なモニタリングの仕組みを構築するために必要なコストと考えるべきではないかと思います。

あすかアソシエイツ(あすかコンサルティング㈱/あすか税理士法人) では、このような現地の専門家をご紹介できるようネットワークの構築を進めています。ご興味を持たれた方は、是非一度お問い合わせくださいませ。

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2014年11月11日 (火)

ピンチはチャンス!

今年から思うところがあって、大阪商工会議所の会員にならせて頂きました。商工会議所では会員向けのイベントやセミナーがたくさん企画されているのですが、なかなか参加できずにいました。

今日は、仕事の都合もついたので、旭酒造株式会社の桜井博志代表取締役の講演に参加してきました(タイトルは講演のタイトルを拝借しました)。 旭酒造と聞いてピンときた方は、かなりの日本酒マニアでしょう。この会社は山口の銘酒「獺祭」を作っているメーカーなのです。

冒頭で、日本の日本酒市場はこの40年間で3分の1に縮小したこと、その中で、旭酒造は最初の10年で売上が3分の1まで減少したが、その後の30年間で売上が50倍になるまで成長したというお話がありました(年商1億円から50億円まで成長したのだそうです)。その成長の理由を桜井氏は以下のように説明されました。

・会社が山奥の過疎地にあった
このため、地元の市場に期待することができず、大都市圏や海外の市場に出ていかざるを得なかったことが、結果として、成長の大きな要因になった。

・県内で米が手に入らなかった
県内の通常のルートでは米(山田錦という品種)を売ってもらえなかったため、自分達で米の購入ルートを開拓した。(今は兵庫県から購入されているのだそうです。)

・杜氏が優れていなかった
杜氏が大吟醸酒を作れなかったため、桜井氏自ら大吟醸酒の製造条件がまとめられたレポートを入手し、杜氏と相談しながら大吟醸酒を作り上げた。その結果、蔵元(経営者)が杜氏に意見するという珍しい形態が生まれた。

・杜氏が辞めてしまった
大吟醸酒が完成し、会社の経営が軌道に乗っていた頃に、新規事業に失敗し経営の危機が訪れた。このため、杜氏が辞めてしまい、残された従業員達で製造を引き継いだが、このことが現在の強固な生産体制(客観的な製造技術、四季醸造体制)を作っていくことになった。

いずれの話も、ピンチ(不利な条件)を克服するという強い意思がなければ達成できなかったことだと感じました。桜井氏は家業を引き継いだからこのようなことが達成できたのでしょうか。私のような一般人でも参考にすべき点ではないかと感じました。

もう1つ印象に残ったのは、「獺祭」というお客様に幸せをもたらす商品を製造し、ブランド化するということを徹底的に行っている点でした。例えば、販売チャネルを選ぶ時には、獺祭のブランド化を一緒になって考えてくれる得意先を選ぶ(だから、大手量販店への直販はしないと言い切っておられました)し、海外市場に進出する際には、日本酒の本当の値打ちを理解してくれる顧客層に教育もセットして展開をするというお話がありました。これも、会社の製品に自信があるからこその戦略とも言えますが、大量販売にこだわらないという点も興味深かったです。(といっても、年商50億円の会社ですが。苦笑)

以下、印象に残った言葉を…

・伝統の手法は弱点に通じる→本当に伝統の手法は存在するのか? 手法は結果のためだけに存在する

・経済的合理性に拘らない→田舎の怨念?(笑)

・売上が落ちる=お客様の信頼を損ねている

・企業は走り続けなければならない。

・人は育つもの→会社が成長すれば、仕事が増える。仕事が増えれば、人は工夫を始める。

2014年10月 6日 (月)

【セミナーのご案内】 オービック 情報システムセミナー 2014年秋

株式会社オービック様の「情報システムセミナー 2014年秋」の大阪会場にて、私が講演をさせて頂けることになりました。

 日時:10月30日(木) 16:00~17:00
 場所:オービックコミュニケーションプラザ(エプソン大阪ビル12階)

「IFRS最新動向~あらためて今、IFRSについて知っておくべきこと~」と題しまして、IFRSの歴史や概略のおさらい、また、先日公表された修正国際基準(JMIS)やIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に内容についてお話させて頂く予定にしております。

また、10月29日(水)の9:30~10:45には、あすか税理士法人の高田和俊(税理士)が「グローバル企業のための実務で使える国際税務~基礎編~」という講演をさせて頂きます。

こちらは、海外に進出されている企業の経理担当者の方が悩まれることが多い、「海外勤務者にかかる税務」「タックスヘイブン税制」「移転価格税制」の内容について、お話させて頂く予定です。

セミナーの参加には、事前申込が必要となりますので、オービック様のホームページまでお問い合わせください。

皆様のご来場をお待ちしております。

 

2014年9月29日 (月)

恩師の教え

プロフィール欄 にも書かせて頂いているのですが、大学の非常勤講師として、会計監査の講義を担当させて頂いています。例年、少人数のクラスで和気あいあいとした雰囲気の中で講義させてもらっていたのですが、今年はたくさんの学生さんに履修して頂けるようです。

話は少し変わって…

先日、私の大学時代の恩師である石川純治先生(駒澤大学経済学部教授)が、新しく著書を出版されていたのを見つけたので、読ませて頂きました。

石川純治著「揺れる現代会計 ハイブリッド構造とその矛盾」

この本のタイトルにも表れているのですが、先生の教えて頂いたたくさんのことの中で、特に印象に残っているものに「形態だけではなく構造を見ることの大切さ」というものがあります。

形態とは「目の前に見える現象」と表すことができるでしょう。これを学ぶことも重要だけれども、「その現象がどういった背景でなぜ存在するのか?」という構造を見ることがより重要であり、その構造を見せることが学問(アカデミズム)の重要な役割だと、先生は常々仰っています。

また、今目の前に見えるものを「絶対化」するのではなく、「相対化」することによって、目の前に見えるものに対する理解が一層深まると教えて頂きました。(相対化の方法については、著書の中でも触れられていますので、興味のある方は是非ご一読ください。)

浅学非才の私が「相対化」して物を見るということは簡単なことではなく、また、日々の慌ただしさの中でその姿勢すらも忘れがちになるのですが、先生の著作を読んで、あらためてその大切さを噛みしめた次第です。

今週から始まる講義の中で、少しでも実践していきたいと思っています。(学生の皆さん、先生頑張りますので、講義に出席してくださいね。笑)

 

2014年9月 4日 (木)

リスタートします

この夏は、天候不順等が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。大雨等の災害に見舞われた地域の方々には、心からお見舞いを申し上げます。

突然ですが、私の独立記念日(?)は8月1日であり、また誕生日が8月18日ということもあって、8月はこの1年を振り返り、また今後どのように活動していくべきかを考えていました。

独立して7年が過ぎ、十分すぎるほどのお仕事をさせて頂くことができるようになりました。独立した時には考えてもみなかった社外役員(社外監査役)のお仕事もさせて頂けるようになりました。私を支えてくださった多くの方々に本当に感謝しています。

その一方で、これからの自分がどうあるべきなのかということについて悩みが大きくなっていたのも事実です。

そんなこともあって、この夏は色々な本を読んだり、同業の皆さんのご活躍ぶりを拝見したりして、自分の今後について考えを巡らせていました。

そして、やっと自分の足りなかったものに気が付きました。それは…
このブログの更新です!!

半分冗談ぽく書きましたが、日々の活動を通じて自分が得た知識や自分の考えを皆さんにお伝えしていくということが、今後の自分を考える上で非常に重要(一番やるべきこと)だという結論に至ったのです。

こんなことブログに書かずに、ひっそりとブログを再開しようかとも思いましたが、自分へのプレッシャーのつもりで書いています。

タイトルも見直して、週に1度の更新を目標に、このブログをリスタートしたいと思います。今後ともお付き合いのほど、宜しくお願い致します。

2014年9月4日 津田 佳典

2014年2月13日 (木)

IFRS関連のセミナーに出講させて頂きます

来る2月27日(木曜日)、株式会社オービック様の「情報システムセミナー 2014年春」の大阪会場において、IFRSに関する講演をさせて頂くことになりました。

『IFRS』と『J-IFRS』の最新動向とグループ経営管理の高度化
動き始めたIFRSとこれからのグループ経営管理に求められるものとは?

日時:2月27日(木曜日) 13:00~14:30
場所:株式会社オービック 大阪本社
    (大阪市中央区博労町3-5-1 エプソン大阪ビル12階)

当日は、以下の内容でお話させて頂く予定です。

・2013年のIFRSに関するアップデート(収益認識、リース会計、概念フレームワーク)
・日本のIFRS対応について(「国際会計基準(IFRS)への対応のあり方に関する当面の方針)
・グループ業績管理とIFRS対応

3点目については、連結財務諸表におけるIFRSでの要求事項をグループ業績管理のレベルアップに活かすという観点でお話させて頂ければと考えております。

ご興味のある方は、是非ご来場くださいませ。
詳しくは、株式会社オービック様のホームページをご覧ください。

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