中小企業会計

2017年3月21日 (火)

改正「中小企業の会計に関する指針」が公表されました

3月9日、「中小企業の会計に関する指針」(以下、中小企業会計指針)の改正版が公表されました。大きな改正点は、敷金の会計処理が新たに規定されたことです。

39.敷金
 敷金は、取得原価で計上する。このうち、建物等の賃借契約において返還されないことで明示されている部分の金額については、税法固有の繰延資産に該当し、賃借期間にわたって償却する。
 また、返還されないことが明示されていない部分の金額については、原状回復義務の履行に伴い回収が見込まれない部分の金額を合理的に見積ることができる場合は、当該金額を減額し、費用に計上する。 

※下線は、筆者によるもの

中小企業会計指針の中で、資産除去債務の会計処理をどのように取り扱うかについては、今後の検討課題とされていましたが、賃借契約に基づく原状回復義務に範囲を限定して、資産除去債務の会計基準の考え方を取り入れることとなったようです。

実務的には、回収が見込まれない部分をどのように合理的に見積もるのかがポイントになろうかと思われます。また、税務上は実際に原状回復義務を履行するまで損金算入できないと考えられますので、その点にも留意が必要です。

2016年2月 9日 (火)

改正「中小企業の会計に関する指針」の公表

2月2日、改正「中小企業の会計に関する指針」が公表されました。主な改正内容は以下の通りとなっていますが、いずれも従来の取扱いについての明確化を図ったものであり、従来の取扱いの変更を意図したものではないとされています。

・重要性の原則(第9項)
 重要性の原則はすべての項目に適用されるものであり、各論に特段の記載がなくても、重要性の乏しい項目については簡便的な会計処理の方法によることができることが明確にされました。

・固定資産の減損損失(第36項)
 固定資産の減損を行わなければならない場合について、会社計算規則の記載に合わせる修正が行われました。

・税効果会計(第61項)
 一時差異に重要性がない場合は、「税効果会計を適用しないことができる」という表現であったものが、「繰延税金資産(負債)を計上しないことができる」という表現に修正されました。

・誤謬の訂正に関する注記(第82項)
 いわゆる過年度遡及修正の会計基準に基づく会計処理を行わない場合は、個別注記表における誤謬の訂正に関する注記は必要がないことが明確にされました。

また、今後の検討事項として、資産除去債務の会計基準の中小企業会計指針における取扱いについては、会計基準が適用されてから5年を経過したことを踏まえて、各論の1つとして取り扱うかどうかをコスト・ベネフィットも考慮しつつ検討していくとされています。

2012年2月 1日 (水)

中小企業の会計に関する検討会報告書(中間報告)の公表

2月1日、中小企業の会計に関する検討会は、「中小企業の会計に関する基本要領」(中小企業会計要領)を策定し、これを「中小企業の会計に関する検討会報告書(中間報告)」として取りまとめ、公表しました。

これは、昨年から非上場会社(中小企業)の会計基準のあり方について検討が重ねられた中で、中小企業の実態に即した新たな中小企業の会計処理のあり方を取りまとめるべきとの方針が示され、それに対して一定の結論が得られたものと考えられます。

現状は、「中小企業の会計に関する指針」(中小企業会計指針)を適用している中小企業が多いと聞きますが、中小企業会計要領は、中小企業会計指針よりも簡便な会計処理を行うことが適当と考えられるような企業を念頭に置いて策定されたものです。(中小企業会計要領 Ⅰ.総論より)

今後は、この中小企業会計要領の普及・活用の検討が行われ、最終報告が取りまとめられることとなっています。今後、中小企業会計要領がどのように取り扱われていくのかを見守る必要があるでしょう。

企業会計基準委員会のプレスリリースはこちら

2011年11月 9日 (水)

中小企業の会計に関する基本要領(案)の公表

昨日(11月8日)、中小企業の会計に関する基本要領(案)が公表されました。これは、昨年公表された「非上場会社の会計基準に関する懇談会」の意見書や「中小企業の会計に関する研究会」の中間報告書の内容を踏まえ、中小企業の実態に即した新たな中小企業の会計処理のあり方を示すものを取りまとめたものとされています。

方向性としては、中小企業の多様な実態に配慮し、中小企業の経営者が理解しやすく自社の経営状況の把握に役立つものとするとともに、会社計算規則に準拠しつつ、中小企業に過重な負担を課さないものとするという方針が示されており、国際会計基準(IFRS)の影響も受けないよう配慮するものとされています。

12月7日までコメント募集が行われており、その内容を受けて、基本要領が確定するものと思われます。

内容については、あらためてこのブログで触れてみたいと考えています。

☆企業会計基準委員会のプレスリリースはこちら

https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/press_release/domestic/sme12/;jsessionid=237EB7C03563EF0803CD4377AC827C2A

2010年11月19日 (金)

セミナー報告 「IFRSのしくみと中小企業への影響」

おととい(17日)、大阪にて「IFRSのしくみと中小企業への影響」というタイトルでセミナーの講師を務めさせていただきました。

このセミナーは、雑誌「企業実務」を発行されている日本実業出版社の担当者の方から、「中小企業の経理担当者の間でもIFRSに対する関心が高まっている」とのお話を頂き、企画して頂いたものです。

当日は、30名近い聴講者の方にお集まりいただき、IFRSに対する正しい理解と中小企業会計の今後という2つの観点からお話をさせて頂きました。

中小企業(特に、中堅企業)の会計のあり方については、私も色々と考えるところがありましたので、それをお伝えさせて頂きました。

3時間近いセミナーでしたが、皆さん熱心に聴いていただき、本当にありがとうございました。また、このセミナーを企画・運営してくださった日本実業出版社ならびにエヌ・ジェイ出版販売の皆様に御礼を申し上げます。