日本の税務

2017年11月24日 (金)

法人税における研究開発税制について

企業の継続的な発展を考えるにあたって、絶えずイノベーションを起こしていくことが重要な時代となってきています。そのような観点から、企業の研究開発(R&D)活動は重要な役割を果たすこととなる訳でですが、法人税法も、企業の研究開発活動を促進し競争力を強化する目的で研究開発税制を整備しています。

法人税法における研究開発税制は、次の4つの制度に区分されます。

1.試験研究費の総額に係る税額控除制度
2.中小企業技術基盤強化税制
3.特別試験研究に係る税額控除制度
4.その他の試験研究費に係る税額控除制度

※ただし、1と2は同時に選択することができず、中小企業者等は2、その他の法人は1を選択することとなります。

1.試験研究費の総額に係る税額控除制度

まず、法人税法における試験研究費の定義を確認しておく必要がありますね。

製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究のために要する原材料費、人件費及び経費のほか、他の者に試験研究を委託するために支払う費用などの額(租税特別措置法42の4⑧Ⅰ、租税特別措置法施行令27の4②)

試験研究費の総額に係る税額控除制度とは、青色申告書を提出する法人の各事業年度において、試験研究費の額に所定の税額控除割合を乗じた金額の法人税額の特別控除ができる制度をいいます。この所定の割合の計算が平成29年度の税制改正で見直されていますので、注意が必要です。

この所定の割合を計算する前に、以下の3つの数値を把握する必要があります。

増減試験研究費=当事業年度において損金算入された試験研究費-比較試験研究費

比較試験研究費=前3事業年度(当事業年度を含まない)において損金算入された試験研究費÷3(1年決算の場合)

増減試験研究費割合=増減試験研究費÷比較試験研究費

その上で、所定の税額控除割合の計算は以下のようになります。

(1)増減試験研究費割合が5%を超える場合
 9%+((増減試験研究費割合-5%)×0.3) → 10%を上限(※)
 ※平成29年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度においては、14%が上限となります。

(2)増減試験研究費割合が5%以下である場合
 9%-((5%-増減試験研究費割合)×0.1) → 6%を下限

(3)税額控除限度額
 =調整前法人税額(別表一(一)「2」欄の額)×25%

 なお、平成29年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度において試験研究費割合が10%を超える場合、税額控除限度額は以下の算式により計算します。

 試験研究費割合=当事業年度において損金算入された試験研究費÷当事業年度を含む4事業年度の平均売上金額

 税額控除限度額=調整前法人税額×25%+調整前法人税額×((試験研究費割合-10%)×2) (注)下線部分は10%を上限

試験研究費が増加傾向にある企業ほど、より大きなメリットとなる税額控除の制度となるように見直されていますね。

2.中小企業技術基盤強化税制

中小企業技術基盤強化税制は、試験研究費の総額に係る税額控除制度の中小企業版とお考え頂ければいいのではないかと思います。

平成29年4月1日から平成31年3月31日までに開始する事業年度における税額控除割合は12%、税額控除上限額は調整前法人税額の25%相当額となりますが、増減試験研究費割合が5%を超える場合には、以下の算式により求めることとなります。

税額控除割合
 12%+((増減試験研究費割合-5%)×0.3))

税額控除上限額
 調整前法人税額の35%相当額

 ※試験研究費割合が10%を超える場合
  調整前法人税額の25%相当額+調整前法人税額×((試験研究費割合-10%)×2)

3.特別試験研究に係る税額控除制度

特別試験研究費とは、租税特別措置法42の4⑧Ⅸにおいて、以下のように定義されています。

試験研究費の額のうち
 ・国の試験研究機関
 ・大学その他の者と共同して行う試験研究
 ・国の試験研究機関、大学又は中小企業者に委託する試験研究
 ・中小企業者からその有する知的財産権の設定又は許諾を受けて行う試験研究
 ・その用途に係る対象者が少数である医薬品に関する試験研究
 ・その他の政令で定める試験研究

青色申告書を提出する法人の各事業年度において、特別試験研究費の額がある場合には、前述の1及び2の制度とは別に、法人税額の特別控除が認められています。

税額控除割合
 (1) 国の試験研究機関・大学その他これらに準ずる者と共同して行う試験研究や特別研究機関等に委託する試験研究…30%
 (2) (1)以外のもの…20%

税額控除限度額
 調整前法人税額×5%

4.その他の試験研究費に係る税額控除制度

その他の試験研究費に係る税額控除制度として、(1) 試験研究費の増加額に係る税額控除の制度 や (2) 平均売上金額の10%を超える試験研究費の額に係る税額控除の制度 がありました。

(1) 試験研究費の増加額に係る税額控除
平成29年税制改正によって、試験研究費の増加額に係る税額控除の制度は廃止となりました。(代わりに、試験研究費の総額に係る税額控除制度の中で試験研究費が5%以上増加した場合は税額控除割合が増加するインセンティブが用意されました。)

(2) 試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える試験研究費の額に係る税額控除
平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に開始する事業年度まで制度が延長されることとなりました。制度の概要は以下の通りです。

平均売上金額…当事業年度を含む4事業年度の平均売上金額

試験研究費の額>平均売上金額×10% となる場合
 税額控除額=(試験研究費の額-平均売上金額×10%)×超過税額控除割合
 超過税額控除割合=(試験研究費割合-10%)×0.2
                   ↓
当事業年度において損金算入された試験研究費÷当事業年度を含む4事業年度の平均売上金額

 税額控除限度額=調整前法人税額×10%相当額

5.試験研究費の範囲の見直し

平成29年度税制改正において、税額控除の対象となる試験研究費に、対価を得て提供する新たな役務の開発に係る以下の試験研究のために要する一定の費用が追加されています。

・大量の情報を収集する機能を有し、その機能の全部もしくは主要な部分が自動化されている機器または技術を用いる方法によって行われる情報の収集

・上記の収集された情報について、一定の法則を発見するために、情報の解析に必要な確率論及び統計学に関する知識ならびに情報処理に関して必要な知識を有すると認められる者により専用のソフトウェアを用いて行われる分析

・上記の分析により発見された法則を利用した役務の設計

・上記の設計に係る一定の法則が、予測と結果とが一致することの蓋然性が高いものであること(妥当であると認められること)及びその法則を利用した役務がその目的に照らして適当であると認められることの確認

これは、従来の「モノ」「技術」に加え、「サービス」の開発も支援対象とするという視点から追加されたものだということです。

2017年9月 4日 (月)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正④

改正後の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)は、以下の通りとなっています。

1.外国関係会社に該当するか?

2.外国関係会社はその経営活動実態によって、3つに分類される。
 ① 特定外国関係会社
 ② 対象外国関係会社
 ③ 部分対象外国関係会社

3.分類された会社ごとに、所在地国の税率に応じて合算課税が行われる。
 ① 特定外国関係会社 30%未満 会社単位での合算課税
 ② 対象外国関係会社 20%未満 会社単位での合算課税
 ③ 部分対象外国関係会社 20%未満 受動的所得の合算課税

最終回の今回は、まず部分対象外国関係会社の合算対象となる「受動的所得」についてまとめてみたいと思います。

☆なぜ受動的所得の合算課税が必要か?

部分対象外国関係会社は、経済活動基準をすべて満たしている外国関係会社であり、言い換えると、活動実態がある会社と言えます。しかし、一定の金融所得や実質的活動がない事業から得られる所得(受動的所得)については、日本の親会社から形式的に外国関係会社へ移転させることによって、租税回避行為が行われる可能性があるため、受動的所得の合算課税という考え方が導入されています。

改正前の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)においても、適用除外基準(改正後の経済活動基準)を全て満たした外国関係会社については、資産性所得の合算課税という制度がありましたが、今回の改正により、合算課税の対象となる所得の範囲が大幅に拡大したと言われています。

☆合算課税の対象となる受動的所得とは?

合算課税の対象となる受動的所得は「特定所得」と呼ばれ、租税特別措置法第66条の6第6項の各号に規定されています。

一 剰余金の配当等 ○
二 受取利子等 ○
三 有価証券の貸付けの対価 ○
四 有価証券の譲渡損益 ●
五 デリバティブ取引損益 ●
六 外国為替差損益 ●
七 第一号から第六号に類する所得 ●
八 有形固定資産の貸付けの対価 ○
九 無形資産等の使用料 ○
十 無形資産等の譲渡損益 ●
十一 異常所得 ○

なお、これらの所得の計算方法や一定の基準を満たした場合の除外の取扱いについては、細かな規定がありますので、十分留意が必要です。

☆合算課税の対象となる金額は?

先程の表の中で、各所得に○と●のマークが付いていましたが、これには以下のような意味があります。

○…基本的にマイナスの概念がなく単純に合計される所得
●…マイナスになった場合、他の●の所得と損益通算が認められている所得

●の所得を合計(損益通算)した結果がマイナスとなった場合は、当該事業年度の所得はゼロとし、マイナスとなった部分(部分適用対象損失額と呼ばれます)は、その後7年間損失の繰越(●の所得の合計額がプラスとなった事業年度に損失を通算できる)が認められています。

そして、○と●(損益通算・損失の繰越控除考慮後)の合計額が部分適用対象金額と呼ばれます。

なお、この部分適用対象金額が税引前当期純利益の5%以下であるか2,000万円以下である場合には、受動的所得の合算課税は適用免除となります。(勿論、部分対象外国関係会社の所在地国の税率が20%以上の場合も適用免除です。)

この部分適用対象金額に当該部分対象外国会計会社に対する内国法人の持分(正確には、請求権等勘案合算割合といいます)を乗じたものが、部分課税対象金額(合算課税の対象となる金額)になります。

【参考資料】
・BEPSと外国子会社合算税制①(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年6月号)
・BEPSと外国子会社合算税制③(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年8月号)
・平成29年度法人税関係法令の改正の概要(国税庁)

2017年8月30日 (水)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正③

改正後の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)は、以下の通りとなっています。

1.外国関係会社に該当するか?

2.外国関係会社はその経営活動実態によって、3つに分類される。
 ① 特定外国関係会社
 ② 対象外国関係会社
 ③ 部分対象外国関係会社

3.分類された会社ごとに、所在地国の税率に応じて合算課税が行われる。
 ① 特定外国関係会社 30%未満 会社単位での合算課税
 ② 対象外国関係会社 20%未満 会社単位での合算課税
 ③ 部分対象外国関係会社 20%未満 受動的所得の合算課税

前回は外国関係会社の要件について触れましたが、今回は3つの分類について触れてみたいと思います。この分類の基準となるのが、「経済活動基準」と呼ばれるものです。これは、現行制度において「適用除外基準」と呼ばれているものであり、基本的な枠組みは変更はありませんが、細かな改正が行われているので、留意が必要です。(改正内容については割愛します。)

☆経済活動基準とは?

① 事業基準
 外国関係会社の主たる事業が、株式等の保有、知的財産権の提供、船舶のリース等でないこと。

② 実体基準
 外国関係会社の本店所在地国において、その主たる事業を行うために必要と認められる事務所等の固定施設を有していること。

③ 管理支配基準
 外国関係会社の本店所在地国において、その事業の管理、支配及び運営を自ら行っていること。

④ 非関連者基準または所在地国基準
 非関連者基準…卸売業、銀行業、信託業、金融商品取引業、保険業、水運業、航空運送業については、主として外国関係会社の関連者以外の者との間で取引を行っていること
 所在地国基準…上記7つの業種以外の事業については、主として外国関係会社の本店所在地国において、事業を行っていること。

☆特定外国関係会社とは?

特定外国関係会社に該当するのは、以下の3つのケースです。

ペーパー・カンパニー 
 経済活動基準のうち、実体基準及び管理支配基準のいずれも満たさない外国関係会社

事実上のキャッシュボックス
 以下のいずれの要件も満たす外国関係会社
  部分合算課税対象所得のうち異常所得以外の所得の合計額÷総資産の額>30%
  有価証券、貸付金、固定資産及び無形資産等の帳簿価額の合計額÷総資産の額>50%

ブラックリスト国所在外国関係会社
 租税に関する情報交換に関する国際的な取組への協力が著しく不十分な国・地域として財務大臣が指定する国・地域に本店等を有する外国関係会社

☆対象外国関係会社

対象外国関係会社とは、4つの経済活動基準のいずれか1つでも満たさない外国関係会社のことをいいます。

☆部分対象外国関係会社

部分対象外国関係会社とは、4つの経済活動基準のすべてを満たす外国関係会社のことをいいます。

 会社の分類によって、その後の取扱いが変わってきますので、きちんと当てはめを行っていくことが重要と考えられれますね。


【参考資料】
・BEPSと外国子会社合算税制②(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年7月号)
・BEPSと外国子会社合算税制③(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年8月号)
・平成29年度法人税関係法令の改正の概要(国税庁)

2017年8月24日 (木)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正②

前回は、改正後の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の概要について触れました。おさらいをしますと、

1.外国関係会社に該当するか?

2.外国関係会社はその経営活動実態によって、3つに分類される。
 ① 特定外国関係会社
 ② 対象外国関係会社
 ③ 部分対象外国関係会社

3.分類された会社ごとに、所在地国の税率に応じて合算課税が行われる。
 ① 特定外国関係会社 30%未満 会社単位での合算課税
 ② 対象外国関係会社 20%未満 会社単位での合算課税
 ③ 部分対象外国関係会社 20%未満 受動的所得の合算課税

となっています。今回からは、法令等の詳細な内容について触れていくことにします。

☆ 外国関係会社の定義

外国関係会社とは以下の外国法人を指すものとされています。

① 居住者・内国法人等が、直接・間接保有している外国法人に対する持分割合が50%を超える場合

② 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人が、直接・間接保有している外国法人に対する持分割合が50%を超える場合

③ 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人

☆ 居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人

今回の改正のポイントの1つとして、外国関係会社の定義の中に、③の「居住者または内国法人との間に実質支配関係がある外国法人」が含まれたことが挙げられます。
これは、租税回避国(タックスヘイブン)に設立された資本関係がない外国法人を利用した租税回避行為に対応するための措置とされています。
居住者または内国法人と外国法人との間に以下のような関係がある場合、その持分割合に関わらず、実質支配関係がある(=外国関係会社に該当する)ものとされています。

① 残余財産の分配請求権
 居住者または内国法人が外国法人の残余財産のおおむね全部について分配を請求する権利を有している。

② 財産の処分の方針の決定権限
 居住者または内国法人が外国法人の財産の処分の方針の概ね全部を決定することができる旨の契約その他の取り決めが存在する。

☆ 外国関係会社の判定時の間接持分の計算

居住者または内国法人等との間に50%超の持分の所有を通じた連鎖関係がある外国法人の判定について、改正が行われています。簡単なケースで考えてみましょう。

【設例】

 

内国法人 ⇒    外国法人A社     ⇒  外国法人B社
          (内国法人が70%所有)   (A社が60%所有)

 外国法人A社は、内国法人の外国関係会社に該当する。(改正前・改正後ともに)
 外国法人B社は、内国法人の外国関係会社に該当するかどうか?

改正前の規定では、B社に対する持分割合の計算は、「掛け算方式」が用いられていたため、70%×60%=42%となり、外国関係会社には該当しないものとされていました。しかし、改正後は、「連鎖方式」が用いられることとなったため、B社に対する持分割合は60%と判定され、B社も外国関係会社に該当することとされました。

実質支配関係の導入や間接所有の際の連鎖方式への改正によって、これまで外国関係会社に該当しないと判定されていた外国法人が、改正後は外国関係会社に該当すると判定されていたケースも出てきそうです。

【参考資料】
・BEPSと外国子会社合算税制②(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年7月号)
・平成29年度法人税関係法令の改正の概要(国税庁)

2017年8月17日 (木)

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の改正①

平成29年度の税制改正において、外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の大幅な改正が行われました。海外進出されている企業様にとって、少なからず影響のある改正と思われますので、その内容について一度整理してみたいと思います。

1.外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)とは?

軽課税国(タックスヘイブン)に子会社等を設立し、この子会社等を利用して税負担を不当に軽減すること(租税回避行為)を抑制するために、一定の条件に該当する子会社の所得を日本の親会社の収益の額とみなして合算し日本で課税する制度

のことです。租税回避行為によってタックスヘイブンに移転された所得を日本で課税してしまおうという制度ですね。

2.これまでの制度の問題点

これまでの制度では、外国子会社合算税制の対象とするかどうかの判定は、基本的に外国子会社の租税負担割合がトリガー税率(20%)以下かどうかで判定することとされていました。

このため、合算課税の対象国が増加する傾向にあったことに加え、経済実体を伴わない所得であるにもかかわらず合算課税の対象外となるケースや、逆に経済実体を伴う所得であるにもかかわらず合算課税されてしまうケースが存在しました。

3.BEPS行動計画と税制改正

以前このブログでもBEPS行動計画について取り上げましたが、そのテーマの1つに外国子会社合算税制(CFC税制)の強化というものがありました。
 ※CFC…Controlled Foreign Company の略

BEPSプロジェクトに参加している国の中には、そもそも外国子会社合算税制を導入していない国や制度を導入していたとしてもBEPSに対応できていないケースもあったため、以下の6つの構成要素に分類して勧告し、効果的な外国子会社合算税制を導入する(制度設計する)ことを促しています。

・CFCの定義
・CFCの適用除外
・CFC所得の定義
・CFC所得の算定ルール
・CFC所得の合算ルール
・二重課税の防止及び解消ルール

今回の税制改正は、この勧告の基本的な考え方を踏まえて見直しが行われています。関心のある方は、このBEPS行動計画の内容も参照して頂くと、今回の改正の趣旨(狙い)が理解しやすくなるかもしれません。

4.改正後の制度概要

(1) 外国関係会社の定義

外国関係会社とは、基本的には(日本)居住者及び内国法人等が直接・間接保有している持分割合の合計が50%超となる外国法人とされていますが、実質支配関係がある場合も含まれることとされています。

(2) 外国関係会社の分類

この外国関係会社は、事業基準・実体基準・管理支配基準・所在地国基準または非関連者基準の4つの経済活動基準(これまでは適用除外要件と呼ばれていたもの)によって、以下の3つに分類されます。

① 特定外国関係会社…実体基準及び管理支配基準のいずれも満たさないもの

② 対象外国関係会社…4つの経済活動基準のうち、いずれか1つを満たさないもの

③ 部分対象外国関係会社…4つの経済活動基準をすべて満たすもの

経済活動基準の内容については、あらためて触れたいと思いますが、この基準を満たすほど経済実体がある会社と考えて頂ければいいのではないかと思います。

(3) 合算課税の取扱い

(2)での分類に従い、合算課税の取扱いは以下の通りとなります。

① 特定外国関係会社の場合
 所在地国の租税負担割合≧30% → 合算課税の対象外
 所在地国の租税負担割合<30% → 会社単位の合算課税

② 対象外国関係会社の場合
 所在地国の租税負担割合≧20% → 合算課税の対象外
 所在地国の租税負担割合<20% → 会社単位の合算課税

③ 部分対象外国関係会社の場合
 所在地国の租税負担割合≧20% → 合算課税の対象外
 所在地国の租税負担割合<20% → 受動的所得の合算課税

今回の改正によって、細かい場合分けが必要になりますので、改正前とは取扱いが大きく異なるケースもあり得そうですね。

なお、この改正は外国関係会社の平成30年4月1日以後開始する事業年度より適用されることとなっています。


【参考資料】
・BEPSと外国子会社合算税制①(下村文男、会計・監査ジャーナル2017年6月号)
・平成29年度法人税関係法令の改正の概要(国税庁)

2017年6月16日 (金)

国税庁 「移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~」を公表

6月10日(土曜日)の日本経済新聞朝刊に「移転価格税制相談しやすく」というタイトルの記事がありましたが、どうやら情報ソースはこちらのようです。
移転価格ガイドブック~自発的な税務コンプライアンスの維持・向上に向けて~

移転価格等の国際課税への関心の高まり、企業のグローバルな国際展開、BEPSプロジェクトの進展、移転価格文書化制度の整備(平成28年度税制改正)等の移転価格を取り巻く環境変化や移転価格を巡る納税者の懸念・問題意識を踏まえ、事務運営の見直しを行うとともに、「移転価格ガイドブック」を公表し、納税者の自主的な検討・対応等に有用となる情報を発信する狙いがあるようです。

移転価格ガイドブックにおいては、3つの文書が公表されています。

Ⅰ 移転価格に関する国税庁の取組方針
   ~移転価格文書化制度の整備を踏まえた今後の方針と取組~

Ⅱ 移転価格税制の適用におけるポイント
   ~移転価格税制の実務において検討等を行う項目~

Ⅲ 同時文書化対応ガイド
   ~ローカルファイルの作成サンプル~

個々の内容については、また機会を改めて取り上げたいと思いますが、新聞記事で取り上げられていたのは、全国12カ所の国税局・事務所に相談窓口を設置するというものでした。

移転価格に関する同時文書化の対象となる取引(1つの国外関連者との取引金額が50億円以上または無形資産取引の合計金額が3億円以上)が相談の対象とのことで、窓口を利用できるのは今のところごく一部の企業に限られるようですが、今後活用が期待されるところです。

2016年9月 5日 (月)

租税回避策に開示義務?

8月22日の日本経済新聞朝刊の1面の記事からです。読まれた方も多いと思いますが、記事の内容を振り返ってみます。

・財務省と国税庁は企業や富裕層に租税回避策を指南する税理士・会計事務所・コンサルティング会社に仕組みの開示を義務付ける方針

・租税回避地(タックスヘイブン)に資産を移すなど悪質な税逃れを把握する狙い。

・適切な助言も開示対象に含む一方、拒んだ場合の罰則も設ける。

・類似の開示制度は、アメリカ、イギリス、カナダ、韓国等でも導入済。

租税回避(課税逃れ)の問題については、このブログでも取り上げたOECDのBEPSプロジェクトが契機となり、その対応が進んでいます。(余談ですが、このプロジェクトの議長は日本人の方が担当されているため、制度の導入が非常に早く進んでいるものと思われます。)

このプロジェクトの中の行動計画の1つとして、「タックス・プランニングの開示義務」というものがあります。今回取り上げられた話題は、この行動計画の内容に基づいた制度の検討が進んでいることを示唆するものと思われます。では、このプロジェクトでは、どういうことが検討されたのか少しご紹介したいと思います。

1.タックス・プランニングの開示義務制度の目的

・潜在的な租税回避スキームに関する情報を早期に入手すること
・租税回避スキームに関わる関係者(利用者及びプロモーターなど)を認識すること
・租税回避スキームの利用に対して抑止力として働くこと

2.タックス・プランニングの開示義務制度に係る基礎的要素のオプション(選択肢)

(1)開示義務者は誰か?
 ①プロモーターと納税者の双方に開示義務を課す方法
 ②プロモーターまたは納税者のいずれかに開示義務を課す方法

 ※プロモーターの定義
  報告すべき税務スキームに関する設計、販売、企画または管理について責任を有する者または関与する者(上記の活動について、重要な援助、支援または助言を行う者を含むことも可能とする)

(2)開示の対象範囲
 ・閾値(いきち:重要性基準値のようなもの)を設定するかどうか?
  以下の2つのオプションが示されています。
  ①閾値を設定せず、個別的にホールマーク(開示すべき税務スキームの特質)を定義して対象範囲を決定する方法
  ②包括的なホールマークに加え、閾値を設定して対象範囲を決定する方法

 ・ホールマークをどのように定義するか?
  包括的ホールマークと個別的ホールマークの両方を用いることが提案されています。
  ①包括的ホールマーク…新しく革新的な税務スキームを把握することが可能
  ②個別的ホールマーク…既知の税務スキームを対象とすることが可能

(3)その他
 ・開示のタイミング
  以下の2つのオプションが示されています。
  ①税務スキームの利用可能となるタイミング…プロモーターに報告義務を課す場合
  ②税務スキームを実行するタイミング…納税者に報告義務を課す場合

 ・利用者の特定方法
  以下の2つのオプションが示されています。
  ①照会番号とクライアントリストを用いる方法
  ②クライアントリストのみ用いる方法

 ※プロモーターに一義的に報告義務を課す場合は、①の方法の具体的な運用方法として、

・開示された税務スキームに対して税務当局が照会番号を発行する
・当該税務スキームを利用した納税者は税務申告書にその照会番号を記載する義務を課す
・プロモーターはその税務スキームに係る顧客リストを税務当局に報告する義務を課す

(4)開示義務制度の位置づけ・罰則
以下の点について、国内法上明記することを推奨しています。

・開示義務制度に基づく税務スキームの開示は、税務当局の承認を得たことを意味するものではない。
・開示された税務スキームの全てが租税回避を意図した取引であることを意味するものではない。
・開示義務制度の実効性を確保するため罰則規定を設けるべきである。

日本の制度についても、上記のオプション(選択肢)を基本線として議論が進められるものと思われますが、あすか税理士法人・高田和俊税理士のブログでも指摘されているように、具体的にどのような線引きが行われるのか、その動向を見守る必要があるように思われます。

(参考資料)
PwC BEPS News
OECD・BEPS 最終パッケージの公表 行動12-タックス・プランニングの開示義務
(2015年10月30日)

2016年7月25日 (月)

移転価格税制に係る文書化制度の改正⑤

今回は、まず国別報告事項(CbCレポート)の概要について確認していきましょう。

提供義務者となるのは、どの法人か?

特定多国籍企業グループの構成会社等が内国法人または国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人であるケースとして、以下の5つが考えられます。(PEとは、国内にPEを有する外国法人を指します。)

Blog_201607043
                           (出典)国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

国別報告事項については、原則として①の会社が提出を求められます。②及び③については提出義務はありません。④及び⑤については、少し注意が必要です。

  原則:提供する必要はありません。(条約方式)
  例外:最終親会社等の居住地国の税務当局が国別報告事項に相当する情報を日本の税務当局に提供できない認められる場合には、それぞれの会社等が提供するか、一の特定多国籍企業グループの構成会社等の中で代表1社が提供する必要があります。(子会社方式)

また、提供方法が国税電子申告・納税システム(e-Tax)によることとされている点も留意が必要です。

国別報告事項(CbCレポート)に記載される事項

国別報告事項に記載されるものは以下の通りとなっています。

企業グループの構成会社等の事業が行われている国・地域ごとの
 ・構成会社等の名称及び主たる事業の内容
 ・収入金額
 ・税引前当期利益の額
 ・納付税額
 ・発生税額
 ・資本金(出資金)の額
 ・利益剰余金の額
 ・従業員の数
 ・有形資産(現金及び現金同等物を除く)の額

また、使用言語が英語とされていますので、その点も留意が必要です。

最終親会社届出事項、事業概況報告事項、国別報告事項の報告様式については、国税庁のホームページで公表されています。(ちょっと場所が分かりにくいので、是非このリンクをご活用ください。)
また、PDFファイルの形で提供されていますが、国別報告事項については、XMLまたはCSVの形式により提出する必要があるとされていますので、留意が必要です。

最後に、もう一度、この新しい報告制度に、いつまでに対応しなければいけないのかを整理しておきましょう。

独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類【改正】
 →同時文書化義務が課される場合、平成29年4月1日以後に開始する事業年度の確定申告書の提出期限までに書類を用意する必要がある。
 ※3月決算会社の場合、平成30年5~7月頃までに用意する必要がある。

最終親会社等届出事項【新設】
 →平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度の終了の日までに報告する必要がある。
 ※3月決算会社の場合、平成29年3月末までに報告する必要がある。

事業概況報告事項【新設】
 →平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度の終了の日の翌日から1年以内に報告する必要がある。
 ※3月決算会社の場合、平成30年3月末までに報告する必要がある。

国別事業報告事項【新設】
→平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度の終了の日の翌日から1年以内に報告する必要がある。
 ※3月決算会社の場合、平成30年3月末までに報告する必要がある。

3月決算会社の場合、大体のものは約2年後をターゲットに準備すればいいということになりますが、かなり手間のかかる内容でもあり、早めの対応が肝要ではないかと思われます。
また、最終親会社等届出事項は、来年の3月末までの報告が必要となりますので、漏れがないようにご留意ください。(おわり)

<参考資料>
国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

2016年7月19日 (火)

移転価格税制に係る文書化制度の改正④

今回と次回に分けて、具体的にどのような情報を提供することが求められるのかを確認していくことにしましょう。今回は、最終親会社等届出事項と事業概況報告事項(マスターファイル)です。

提供義務者となるのは、どの法人か?

特定多国籍企業グループの構成会社等が内国法人または国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人であるケースとして、以下の5つが考えられます。(PEとは、国内にPEを有する外国法人を指します。)

Blog_201607043
                           (出典)国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

最終親会社等届出事項及び事業概況報告事項については、原則として①から⑤まですべての会社等が提供する必要がありますが、特例としてグループの構成会社等の中で代表1社が提供することも認められています。また、提供方法が国税電子申告・納税システム(e-Tax)によることとされている点も留意が必要です。

最終親会社等届出事項

最終親会社等届出事項として提供される情報は以下の通りとなっています。

最終親会社等の
 ・名称
 ・本店または主たる事務所の所在地
 ・法人番号
 ・代表者の氏名

内容的には、それほど複雑なものではありませんね。もし、グループの中で代表1社が提供する場合は、

代表として提供する法人の
 名称、本店等所在地、法人番号、代表者の氏名等
代表として提供する法人以外の
 名称、本店等所在地、法人番号、代表者の氏名等

を同様にe-Taxで提供することが求められます。適用開始が平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度とされており、提出期限は、最終親会社の会計年度終了の日までとされていることから、最初の提出は平成29年3月末が目途となります。この点、他の2つの報告事項よりも提出期限が早くなっているため、留意が必要です。

事業概況報告事項(マスターファイル)

事業概況報告事項(マスターファイル)として提供される情報は、「特定多国籍グループの組織構造、事業の概要、財務状況」とされており、具体的には租税特別措置法施行規則第22条の10の5①に示されていますが、要約してみたいと思います。

・構成会社等の名称、本店等所在地、関係を系統的に示した図

・事業等の概況
 構成会社等の売上など収益の重要な源泉
 主要な5種類の製商品等に係るサプライ・チェーン及び地理的な市場の概要
 グループ全体の売上等のうち5%を超える製商品等に係るサプライ・チェーン及び地理的な市場の概要
 構成会社間での役務提供に関する重要な取り決めの一覧表及びその概要
  (対価の額の設定方針、費用の負担方針、役務提供が行われる主要な拠点など)
 各構成会社等が付加価値の創出において果たす機能、負担する重要なリスク、使用する重要な資産など
 事業上の重要な合併、分割、事業譲渡等の概要

・無形固定資産などの無形資産の研究開発、所有及び使用に関する包括的な戦略

・研究開発の用に供する主要な施設及び当該研究開発を管理する場所の所在地

・構成会社間での取引において使用される重要な無形資産及びそれを所有する構成会社等の一覧表

・無形資産の研究開発に要する費用の額の負担、当該研究開発に係る役務提供、当該無形資産の使用許諾などの取り決めの一覧表

・構成会社間での研究開発及び無形資産に関連する取引に係る対価の額の設定方針

・構成会社間で行われた重要な無形固定資産の移転に関する概要
 (関係した構成会社等の名称、本店等所在地、移転した無形資産の内容、対価の額など)

・各構成会社等の資金調達方法の概要

・グループの中において中心的な金融機能を果たすものの名称、本店等所在地

・構成会社間で行われる資金の貸借に係る対価の額の設定方針

・連結財務諸表に記載された損益及び財産の状況(連結財務諸表がない場合には、当該グループの財産及び損益の状況を明らかにした書類)

・居住地国が異なる構成会社間での取引に係る対価の額の算定方法や構成会社間での所得の配分に関する事項について、一の構成会社等の居住地国の権限ある当局のみによる確認がある場合は、その確認の概要

こちらは、内容が大変複雑になっており、事前に相当の準備が必要なように思われます。適用開始が平成28年4月1日以後に開始する最終親会計年度からとなっており、提出期限は最終親会計年度の終了の日から1年以内とされているため、3月決算会社の場合、平成30年3月末が最初の提出の目処となります。
また、グループの中で代表1社が提出することも認められていますが、その場合の取扱いは最終親会社等届出事項の場合と同じです。(つづく)

<参考資料>
国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf

2016年7月11日 (月)

移転価格税制に係る文章化制度の改正③

直前会計年度の連結総収入金額が1,000億円以上の多国籍企業グループ(「特定多国籍企業グループ」といいます)の構成会社等である内国法人及び国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人は、以下の3つの文書を国税電子申告・納税システム(e-Tax)で提供しなければならないこととされました。

①最終親会社等届出事項
 →最終親会社等に関する情報
②事業概況別報告事項(マスターファイル)
 →グループの活動の全体像に関する情報
③国別報告事項(CbCレポート)
 →国別の活動状況に関する情報

特定多国籍企業グループとはどのような企業グループなのか?

①企業グループとは?

一言で言うと「連結財務諸表が作成される企業集団」ということになりますが、この制度の適用においては、「もし上場したならば連結財務諸表が作成される場合」も含まれる(非上場の企業グループも適用対象となる)ことに留意が必要です。
また、いわゆる孫会社等が存在することにより、いくつかの階層で企業グループが形成されるケースが考えられますが、その場合は最終(究極)親会社を頂点する企業集団のみが企業グループに該当するとされています。以下の【図1】及び【図2】において、制度の適用があるのは企業集団AとDとなります。

Blog_20160704_3     
                           (出典)国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

②多国籍企業グループとは?

これには、2つのケースが考えられます。

・企業グループの構成会社等の居住地国が2以上あるもの(下図、【図1】のケース)
・企業グループの構成会社等の居住地国は同一であるが、その構成会社の中に当該居住地国以外の国または地域に恒久的施設が存在し、その恒久的施設を通じて行われる事業から生じる所得に対し、当該国または地域において課される法人税当があるもの(下図、【図2】のケース)

Blog_201607042
                           (出典)国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

③構成会社等とは?

構成会社等については、連結範囲に含められている会社等だけではなく、重要性を理由として連結範囲から除外されている 会社等(いわゆる非連結子会社)も含まれるとされています。一方で、関連会社については、たとえ持分法適用会社であっても、構成会社等の範囲には含めない こととされていますので、留意が必要です。

④連結総収入金額1,000億円以上とは?

連結総収入金額には、売上高だけでなく、その他の収益の金額も含まれるものとされています。また、非上場会社のように連結財務諸表を実際に作成していない場合は、その金額に相当する金額とされています。


実際に報告(届出)事項の提供義務者となるのは、どの法人か?

特定多国籍企業グループの構成会社等が内国法人または国内に恒久的施設(PE)を有する外国法人である場合に提供義務が生じることとなりますが、想定されるケースとして、以下の5つが考えられます。(PEとは、国内にPEを有する外国法人を指します。)

Blog_201607043
                           (出典)国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし

3つの報告(届出)事項について、それぞれのケースでどのような取扱いとなるのかをまとめると、以下の通りとなります。

<最終親会社等届出事項及び事業概況報告事項>
 原則:①から⑤まですべて提供する必要があります。
 特例:グループの構成会社等の中で代表1社が提供することが認められています。

<国別報告事項>
 ①は提供する必要があり、②及び③は提供する必要はありません。
 ④及び⑤のケースでは、以下のように取り扱われます。
  原則:提供する必要はありません。(条約方式)
  例外:最終親会社等の居住地国の税務当局が国別報告事項に相当する情報を日本の税務当局に提供できない認められる場合には、それぞれの会社等が提供するか、一の特定多国籍企業グループの構成会社等の中で代表1社が提供する必要があります。(子会社方式)

このブログの読者の方は、①の会社等に所属されているケースが多いかと思いますが、②~⑤のケース(子会社に該当するケース)でも、提出義務のある事項もありますので、十分留意が必要です。(つづく)

<参考資料>
国税庁 移転価格税制に係る文書化制度に関する改正のあらまし
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h28iten-kakaku.pdf