IFRS/財務諸表の作成及び表示に関するフレームワーク(その16)
このフレームワークに関するブログもようやく最後のパートに入ってきました。途中で何度か挫折しそうになりましたが、なんとか続けることができました。
今回は、「資本及び資本維持の概念」について触れていきますが、その前に少しおさらいをしておきたいと思います。
フレームワークでは、持分、収益、費用を以下のように定義していました。(第49項及び第70項)
持分…特定の企業のすべての負債を控除した残余の資産に対する請求権
収益…資産の流入もしくは増価又は負債の減少の形をとる経済的便益の増加であり、持分参加者からの拠出に関連するもの以外の持分の増加を生じさせるもの
費用…資産の流出もしくは減価又は負債の発生の形をとる経済的便益の減少であり、持分参加者への分配に関連するもの以外の持分の減少を生じさせるもの
しかし、その一方で「資産及び負債の再評価又は修正表示によって、持分の増加又は減少がもたらされる。持分の増加又は減少が収益及び費用の定義を満たすとしても、これらは特定の資本維持概念の下では損益計算書に計上されない。その替わりに、これらの項目は、資本維持修正額又は再評価剰余金として、持分に計上される。」(第81項)とし、資産・負債に関するすべての評価損益が収益・費用になるわけではないことを示唆していました。ここで大きく関わってくるのが資本維持概念ですが、フレームワークでは、まず資本の概念について、以下のように述べています。(第102項)
a)貨幣資本…貨幣資本とは投下した貨幣又は投下した購買力のことであり、資本は企業の持分(純資産)と同義となる。
b)実体資本…実体資本とは企業の操業能力などのことを指し、資本は企業の生産能力等とみなされる。
どのような資本概念を選択するかは、財務諸表の利用者の要求(関心)に基づかなければならないとされており、選択された資本概念は利益の算定に影響を与えると述べられています。これは、先程触れた第81項の内容と同じであると考えられます。
次回はフレームワークの最終回として、資本維持の概念及び利益の決定について述べたいと思います。
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